SIerの仕事はなぜつまらないのか?中の人が真剣に考えてみた

どうしてこんなに仕事がつまらないんだろう?と10年間考え続けてきた。

10年間、大手のSI企業で働いてきて、仕事が楽しいと思ったことは一度もない。
たった一度もないのだ。

いつも退屈で、なんでこんな無駄なことばかりやっているんだろうと思っていた。
なんでこんな無駄なことばかりやっているのに利益が上がるんだろうとおも思った。

会社で全く評価されなかったわけではない。
評価は常に普通より上で、給料も上がり続けた。

ただ絶望的に仕事がつまらなかった。

SIerの仕事の何が退屈なのだろうか?

同じことの繰り返しでやりがいがない

SIerで真面目に働くのであれば、根回しや調整のスキルが非常に重要だ。

「◯◯さん、こちらの案件を進めてください。よろしくお願いします」

「XXさん、こちらの調査の進捗はどうなっていますか?報告をお願いします」

「△△さん、こちらの障害対応をお願いします」

と次々と舞い込んでくる案件を回して振っていくような仕事が多い。

その場で優先順位を判断して、タスクを振り分けて、管理する。

決して難しい仕事ではないが、頭の回転が遅い人間には厳しいだろう。
会社の中には馬鹿も多い。

特に40代以上で、それまで自分の頭で考えることを放棄してきた会社に依存してべったりの社員は馬鹿で、判断力が皆無だ。

大手のSIerで働くとプロジェクトマネジメント能力がつく、プロジェクトマネジメントの専門性が身につく、みたいに言う人間がいるが、SIerでやっているプロジェクトマネジメントなどたいしたものではない。

案件を理解して、決められた手順通りにスケジュールに落とし、早め早めに関係各所と調整して回るだけだ。

超簡単なこんな業務をずっと繰り返すのがSIerである。

出世して立場が変わってもやることは基本的には変わらない。

PMとして進捗の報告を受けて、その報告を見て何かを判断し、また上長に相談する。

ずーーーっとそれだけ。

僕にはその「プロジェクトマネジメント」が退屈で仕方なかった。

新しい何かができるようになることを成長というならば、SIerでの成長は3〜5年で止まる。
そこから先は新しいことなどやらない。

同じことの繰り返しだ。
退屈だった。

技術力が身に付かない

SIerの社員は謎の選民意識が強い。
「プログラミングをするのは下請けの仕事」だと考えていて、「プログラミングは暇な人がするもの」と捉える文化がある。

JavaとJavaScriptの区別すら怪しい、情報系の女子大学生以下の技術力しかない連中が、偉そうにプログラマを見下している。

世の中のテクノロジーはどんどん進化していって、新しいテクノロジーが誕生し、ユーザーにとって使いやすく、わかりやすいソフトウェアが次々と誕生しているのに、SIerの社員はそれに手を出さない。

なぜなら、技術のことがわからないからだ。

わからないものは怖い。
そして技術をずっと学んでこなかった人間が大半だから、新しいものを取り入れるだけの素地もない。

QiitaやTwitterで表面だけなぞった(でも自分で手は動かさない)技術の話をして、「検討してみるか」みたいな話をニヤニヤしながらしているのが現状だ。危機感は全くない。

もちろん技術力が全てではないが、
「新しい技術で新しい未来を創る」
みたいに気合をいれていた人間は肩透かしにあうだろう。

SIerでは20年前の技術を10年前の技術に置き換える基盤更改業務が多く、結局時代からは10年以上遅れ続けている。

Gitを使える社員でさえ全体の5%くらいしかいないのだ。
ほとんどの社員はExcelとPowerPointしか使えない。

「PowerPointを使える」といっても操作ができるレベルであって、見やすいスライドを作れるわけではない。

ごちゃごちゃと文字を詰め込んで、見づらく、わかりづらい身内向け資料を毎日残業して一生懸命作っている。

人に怒られないための仕事

なぜ字が詰め込まれた見づらいパワポ資料を作り続けるのかというと、レビュワーに怒られないためである。
怒られないために細々とツッコミどころを潰し、ごちゃごちゃと情報を詰め込む。

身内のおっさんを納得させるためだけの資料を長い時間をかけて社員が総出で作り込み、身内の「レビュー」を乗り切るために頑張る。

ユーザーはどうした?

驚くべきことに、SIerのプロジェクトマネージャーが頑張っている業務はこういった「身内の人を納得させるための資料作り」であることがほとんどだ。

プロジェクトの計画、プロジェクトの進捗報告、障害対応の報告…

立場がプロジェクトリーダーだろうと、プロジェクトマネージャーだろうと、課長だろうと本質的にはやってることは同じだ。

報告と確認、調整だけ。

報告と確認と調整をひたすらに繰り返す。

似たような資料を毎日作り続け、その資料は世の中を何も変えない。
ただただ消費されていく。

SIerはこうやって退屈な仕事を普通にこなせば誰でもできる。

馬鹿には無理だが、まともに頭が働く人なら誰にとっても難しいことはない。

だから、普通に働いて、普通に給料がほしい夢のないサラリーマンにはとても良い環境だと思う、

減点主義の文化

「チャレンジを後押しする社風」みたいなのをアピールするSIerは数多くあるが、チャレンジは基本的に後押しされない。
構造的にチャレンジできなくなっているからだ。

SIerはお客さんにお金をもらってその人達のためにシステムを作っている。
何も障害が起こらず、「お客さんに言われたとおりに動くこと」が至上命題となっている。

チャレンジをして障害が起こったら目も当てられない。
だから「前例にないこと」はやらないし、やらせようとしない。

「今までとほとんど同じ」

「変わるとしても少しだけ」

みたいな、なんちゃってエンハンスメントでお金をもらい、10年経ってもほとんど変わらないプロダクトを保守し続けるのがSIerの仕事である。

SIerのビジネスモデルではチャレンジは求められていないのだ。

言われたことに忠実に、ロボットのように、忠誠心高く働くことが求められている。
独創性など必要ない。
顧客に言われた通りでなければいけない。

顧客は先進技術なんて知らないし、IT担当者がITに詳しいわけでもない。

「ちゃんと動くものを出す」

「昔から使っている人が文句を言わないものを作る」

のが目標になるため、基本的に新しいチャレンジは必要とされない。

何を言うかよりも誰が言うかで判断する

SIer企業内では社員の肩書が重視される。

なんとか部長が言っているからOK。
なんとか部のなんとかさんの許可を得なければいけない。

みたいな、何をするかよりも誰かに許可をもらうことを重視される節がある。

言うまでもなく、こういう調整業務は無駄が多くなる。

肩書至上主義は腐敗した組織の特徴だ。

発言内容で何かを判断するのではなく、「誰々が偉いから正しい」みたいな、権力主義のゴマすり文化がはびこってくる。

それで、そういう偉い人のレビューを受けて、偉い人にお墨付きをもらうためにまた時間をかけて会議をする。

結局、動いているプロダクトに関する作業以外に膨大な時間が取られて、肝心のプロダクトの改善に手が回らない。

だから使いづらく、UXがクソなシステムが延々と動き続ける。

ユーザーを見ないで、社内ばっかり見てるから。

会議多すぎ、一日のほとんどが会議

朝の10時から夜の18時までずっと会議で、18時から自分の作業を始める、みたいな人が多い。
とにかく一日中会議を詰め込まれているのだが、その会議の生産性はめちゃくちゃ低い。

だらだらと読めばわかるような進捗状況を輪読スタイルで報告して、「うんうん」と話を聞いていく。
何の意味があるのかわからないが、やめようとしない。

「みんながやってるから」
「今までやってきたから」

で、無駄な作業を削らない。

作業を足すのは奨励されるが、「やらない判断」はしないのだ。

なぜなら、「何かをやめて、問題が起こったときに責任を取るのが嫌だから」

SIerをおかしくしているのは、病的な責任回避思考である。

とにかく責任を取らないように、失敗しないように、誰にも責められないように、業務を積み増していこうとする。

「それ、意味ないよね?」が誰も言えない。

「全く意味のない業務」はないのだ。
どんな業務だって、やったほうが良さそうには見える。

それでもリソースは有限だから、優先順位をつけて、効果が低そうなものは決断してやめなければならない。

だけど、みんな「何かをやめて問題が起こるくらいなら、残業しよう」と考えるため、いつまでも消耗戦が終わらない。

気がつけばみんな疲弊して、疲れた顔で仕事をしている。

社員の勉強不足

SIerの社員は真面目な人が多い。

みんなものすごく真面目に資格試験の勉強をする。
情報処理試験をたくさん受けて、高度情報処理技術者試験の資格を取って自慢している人もいた。

すごいけど馬鹿だなと思ってみていた。

SIerの仕事は権威主義的で、表面的なものが多い。

自分で何ひとつプロダクトを作らないから、その人の実力はふわっとしか測れず、資格試験の合格実績などが錯覚資産として使われる。

SIerの社員は基本的に真面目だが、勉強不足である。

まともに技術の勉強をしている人は10人に1人もいない。
その一つの原因としては、みんな残業しすぎて時間がないところにあるのだが、それ以上に「興味・関心」が薄いのだ。

資格試験には興味があっても、テクノロジーには興味がない。

顧客の業務については業務時間に調べるけど、ビジネスができる人は少ない。

周りの人が勉強不足なため、業務中に学びが少なく、それゆえに仕事がつまらない。

それでもSIerがやめられないのは、給料が上がっていくからだ。

給料が上がっていくから辞められず、辞められないうちに手遅れになってしまう。

本来であれば、早めに転職サイトにでも登録して、エージェントの話を聞きながら、冷静に自分の市場価値を判断するべきだったのだ。

「SIerでは技術力がつかない」という噂は本当なのか?社員がリアルを語る

申請ばかりで仕事が進まない

何をするにも申請が必要だった。

申請→許可をもらうまでは自分の判断で仕事ができない。

これが実にストレスであった。

申請し、許可を得ることで、作業の最終責任は「承認者」となる。
そんな儀式のためなのか、何をするにも申請が必要だった。

その申請がいちいち面倒なのだ。

どんなにダッシュ力がある人でも、「よーいドン!」でスタートしたときに毎回出鼻をくじくような猫パンチを食らわされていたら、走る気がなくなってくるだろう。

それと同じで、「何をするにもまず申請」で、自由度が著しく低く、ストレスが多かった。

この「申請主義」はSIerの退屈さの大きな要因の一つである。

ミスを起こさないために細々とした承認プロセスを設定し、承認なしでは仕事が進まないようにする。

すると、社員一人ひとりの自由度は大きく損なわれ、独創性や自主性を発揮する余地が削られ、全てが決められたプロセスの上での作業となる。

「これ、俺じゃなくてもできるよね?」

という疑問が沸き起こり、「本当にこのままこの会社にいていいの?」という不安が常につきまとってくる。

いつでも転職できるように準備はしておく

転職エージェントに登録してみた。

エージェントに登録すると、思った以上に求人やスカウトメールが飛んでくる。
そのうち面談に行くかどうかは自分が決めるのだけれど、SIerは中の仕事がつまらない割に、「ちゃんとしている会社」というブランド的な価値はある。

実際に転職するかしないかは求人次第でいいと思うが、転職エージェントに登録しておけば「自分はいつでも転職できそうだ」と前向きになれる。

「IT」を軸にして、別の業界に転職するのもいい。
大手SIerの場合は給与水準も高いだろうけれど、中小SIerは給与がいまいちな会社も多いと思う。

そういうイマイチな会社から同じSIerで転職するよりも、ITの経験を活かして別の業界に転職すれば、割と簡単に年収が上がる。

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