SIerの仕事はなぜつまらないのか?中の人が真剣に考えてみた

「どうしてこんなに仕事がつまらないんだろう?」

10年間考えてきた。

10年間SI企業で働いてきて、仕事が楽しいと思ったことは一度もない。
入社1年目から、ずっとだ。

いつもいつも退屈で、なんでこんな無駄なことばかりやっているんだろうと思っていた。
こんな無駄なことばかりやっているのに、なんで利益が出るんだろうとも思った。

会社で全く評価されなかったわけではない。

評価は常に普通より上で、給料も上がり続けた。

ただ絶望的に仕事がつまらなかった。

SIerの仕事の何が退屈なのだろうか?

SIerの仕事がつまらないのは、私に限った話なのか?

否。

周りを見ても楽しそうな人は一人もいなかった。

誰一人として夢を語らなかった。
誰一人として未来を見なかった。
誰一人として楽しい話をしなかった。

「自分がどれだけ辛い稼働を乗り越えてきたか」

を誇る人はいても、

「自分がどれだけ充実した開発をしてきたか」

を語る人はいない。

充実体験を語る人は他の会社にもいないかもしれないが、とにかくSIerの中では「いかに自分が苦労したか」ばかりが語られているのが実情だ。

稼働時間がステータスなのだ。

それにしても、なぜこんなにもやりがいがないのだろうか。

私なりに真剣に考えてみた。

同じことの繰り返しでやりがいがない

SIerで真面目に働くのであれば、根回しや調整スキルがとても重要だ。

「◯◯さん、こちらの案件を進めてください。よろしくお願いします」

「XXさん、こちらの調査の進捗はどうなっていますか?報告をお願いします」

「△△さん、こちらの障害対応をお願いします」

と次々と舞い込んでくるタスクを処理して周りに振っていくような仕事が多い。

ひどい例だと、

「基盤チームさん、●●というディレクトリを作成してください」

みたいな依頼をしなければならないこともある。

なぜ本番環境でもない、お客さんが使いもしない開発環境で

「mkdir」

してはいけないのか。

自由な mkdir を封じることに何の意味があるのか。

だったら Macbook を買ってくれ。何の意味もなく業務の妨害しかしない「社内プロキシ」を撤廃して自由に Docker で開発環境を作らせてくれ。

当たり前の開発が当たり前にできないことに疑問を持ってしまう人は、SIerでは働けない。

SIerの仕事は高度に分業化され、それぞれの職務領域は犯してはならない決まりになっているからだ。

舞い込んでくるタスクの優先順位を判断して、タスクを振り分けて、管理する。
毎日がその繰り返しなのだ。それ以外はやってはいけない。

自分で開発なんてもっての外だ。手を動かす人間はサボっている!とみなされるのだ。

自分の作業に何らかの意味はあるはずなのだが、成長実感がない。

「この仕事は本当に自分がやる必要はあるのだろうか?」

という疑問が常につきまとう。

「調整スキル」は専門スキルではない。
調整は大事だが、職務経歴書には書けるスキルではない。

職務経歴書に書けない、専門性のない「社会人基礎力」ばかりが身に付くのがSIerである。

逆に言えば、SIerの社員はパッと見では優秀そうに見えるだろう。

中身があるっぽい話し方や、説明スキルは日々の業務で鍛えられているからだ。

しかしながら、実態は猿回しのごとく仕事を回しているだけで、中身がない。

中身がありそうに見せる自己粉飾スキルばかりが高まっていくような気がするのは私だけではないだろう。

中身が空っぽ。
それがSIerの業務の「辛み」の一つである。

上のリンクの『迷宮ブラックカンパニー』はSIerの労働そのものです。奴隷のような労働から抜け出す知恵者の話です。SIerが嫌いな全ての人に読んでもらいたい。SIerはクソです。

プロジェクトが終わっても何の達成感もなく、また次の地獄が始まる

SIerはプロジェクトの連続だ。

一つのプロジェクトが終わると、振り返りをして、その次にまたゼロから新しいプロジェクトにアサインされる。

振り返りはどこにも活かされない。

SIerの社員は常に「フル稼働」を求められ、一向に楽になる気配がない。

SIerで働く限り、部長や本部長、窓際になるまで延々と高稼働=長時間労働を求められ続ける。

人月商売の受託開発とは、そういうものなのだ。

では毎日毎日14時間働いて、頑張って身に付けた「マネジメント能力」

このマネジメント能力に何の意味があるのだろうか?

「大手SIerで働くとプロジェクトマネジメント能力がつく」とは言われるが、SIerでやっているプロジェクトマネジメントはそんなにすごいものなのだろうか?

私は「SIerで鍛えたマネジメント能力」なんてものは陽炎のようなものだと思っている。

SIer社員の勤勉さ・自己犠牲の精神に支えられた虚構だ。

前提として、プロジェクトマネジメントはとても大切で、プロジェクトマネージャーがいて初めてプロジェクトが正しく回っていく。

とても重要な役割だ。

プロジェクトの要件を理解して、適切に人をアサインし、見積もりを取り、スケジュールに落とし、関係各所と調整して、課題を管理する。

プロジェクトマネジメントはとても大切な仕事である。

しかしながら、長年SIerの中で働いてきて、ある重大な秘密に気付いてしまった。

「優秀と言われるプロジェクトマネージャーはメンバーを1日で2日分働かせることでスケジュールの帳尻合わせをしている」

という秘密である。

常識的に考えると、1日8時間労働を1MD(1日分)として計算して、その範囲内で収まるように見積もりを行い、タスクの分配、スケジューリングしていくものだと思うが、優秀なプロジェクトマネージャーはそうではない。

メンバーにプレッシャーをかけることによって、1日の稼働時間を16時間に引き延ばし、メンバーに常に2倍界王拳を使わせることによって

「スケジュール通り」

を実現するのだ。

逆に言えば、経験を積んだプロジェクトマネージャーでもウォーターフォールの見積もりはほぼ確実に外れ、強引な手法でスケジュールに無理やり合わせていくようなことをやっているのだ。

プロジェクト中は延々と地獄が続き、誰一人として幸せそうな顔をしていない理由がここにある。

界王拳はいざというときに使うから頑張れるのだ。
レッドブルはいざというときに飲むから目が覚めるのだ。

慢性的に2倍の界王拳を使い続けると、人間は疲弊してしまう。
毎日毎日14時間も働いて、人間が壊れないはずがない。

自分で起業して、自分の会社のために身を粉にして働くなら意味があるのだが、偉そうなプロジェクトマネージャーのために長時間労働しても全く報われない。

その日長時間労働しても、次の日にはまた鞭で叩かれるのだ。

プロジェクトマネージャーがそのひとつ上の「部長」に「進捗は順調です」と報告するために、ひたすらに働かされる。SIerの仕事は「順調です」と報告するために回っている。

PMは言う。

「メンバーのみなさんの頑張りのおかげで、プロジェクトは順調に進んでおります」

我々は思う。

「お前の感謝なんていらねえから残業代を払え」

裁量労働は本当にクソだし、SIerは地獄です。

その資料作り、そのレビューに意味はありますか?

SIerの仕事は資料作りが多い。

「計画書」と呼ばれるものを作り、それを関係各所に延々と「レビュー」してもらうのだ。

なぜSIerでレビューが重視されるかというと、

「レビューによって品質が高まる」

と信じられているからだ。

SIerの偉い人が書いた本→【書評】失敗しないITマネジャーが語る プロフェッショナルPMの神髄

もちろん、「コードレビュー」はウェブ系でも行われているし、複数人の意見をもらうことで品質が高まるのは間違いない。

ただ、SIerはそのプロセスがとても面倒くさい。そしてコードレビューは一切やらない。Excel と PowerPoint のレビューだけが行われる。コードは見ない。読まない。読む仕組み(GitHubなど)もない。

色々な役職の人にレビューをもらって、指摘をもらい、再レビューを受けて承認される…という長いプロセスを経て、「計画書」などの資料ができあがる。

やっているのは「内部向けの資料」のレビューである。

計画に穴がないかをレビューによって確認するのはとても大切だとは思う。

だがそのためのレビューが延々と続き、細々と指摘を受け、資料の修正や再レビューも延々と続く。

その繰り返しの中で現場の社員が疲弊するのだ。

しかも、複数人の偉い人で囲んでレビューしまくった計画はだいたい外れるから救いようがない。

それに、レビューする側は「その計画に責任のない偉い人」が多数含まれる。
責任のない立場の人間の指摘ほど役に立たないものはない。

「品質が高まる」

といえば響きがいいが、そのためにまた、大量の時間を消費しているのだ。

その指摘1つに対応するために、人間が時間を使っていることがわかっているのか?

SIerでは

「偉い人の意見を吸い上げて後ろ盾を得るための立ち回り」

に毎日5、6時間を取られてしまうのだ。

レビューが多く、長く、面倒くさい。

資料作りとレビュー文化。

この悪弊こそが、SIerの社員が疲弊する原因の一つである。

ちなみにパワポ以外にも、「進捗報告資料」の作成にも時間を奪われる。

プロジェクトマネージャーに進捗状況を報告するために、パートナー企業の進捗を確認し、まとめる作業が発生する。
他の人の進捗も黙って聞き続けなければならない。

報告を受ける側は「ツッコむ」のが仕事なので、とにかく細かくツッコミを入れたがる。

ツッコまれたら対応しなければならないので、また時間を取られる。

そうして、「報告資料作成」「計画書作成」「まとめ資料作成」に1日4時間が消費され、あとの5時間は会議で消費し、3時間はチャットでの「調整業務」に費やされる。

2時間くらいは何をやってるのかわからないが、いつの間にか消えている。

煩雑な申請だったり、資料を探したり、読んだりする時間に使っているんだと思う。

毎日14時間労働。

クタクタになるまで仕事をしても、何も成長した気がしない。

だからSIerの仕事はやりがいがない。
だからSIerの仕事には積み重ねがない。

毎日がただ消耗されて消えていく。
失っているのは私たちの大切な時間なのだ。

SIerで専門性が身につかない点について考察した記事→SIerでは専門性が身につかないのではないか、という疑問について考える

技術力が身に付かない

SIerの社員には謎の選民意識がある。

「プログラミングをするのは下請けの仕事」だと考えていて、「プログラミングは暇な人がするもの」と捉えているのだ。

JavaとJavaScriptの区別すら怪しい、情報系大学生2年生以下の技術力しかない人たちが、「DX」を語り、プログラマ(中ではPGと呼ばれている)を管理している。

世の中のテクノロジーはどんどん進化していって、新しいテクノロジーが誕生しているが、SIerのプロジェクトで採択されることはない。

プロジェクトマネージャーは技術を知らないし、技術を実装できる人材もいないからだ。

わからないものは怖い。

技術をずっと学んでこなかった人間が大半だから、SIerには新しいものを取り入れるだけの素地もない。

ちょっと意識が高い社員でも、QiitaやTwitterで表面だけなぞった(でも自分で手は動かさない)技術の話をして、「検討してみるか」みたいな話をニヤニヤしながらしているのが現状だ。

危機感は全くない。

もちろん技術力が全てではないが、

「新しい技術で新しい未来を創る!良い世の中を実現する!」

と意識も志も高く持った若者がSIerに入ると、肩透かしにあうだろう。

20年前の技術を「最先端」と思い込んで、「俺達はすごいことをやってるんだぞう」と胸を張るおっさんばかりだからだ。

ちなみに2020年以降、SIerでは20年前の技術を10年前の技術に置き換える基盤更改業務がとても多い。

ものすごく古いCOBOLで作られたシステムを、少し古いCOBOLに置き換えるような謎のプロジェクトが大量発生しているのが現実だ。COBOL で作られたスパゲティコードを Java で作られたスパゲティコードに置き換えるプロジェクトも多い。

時代からは10年以上遅れ続けている。

Gitを使える社員は全体の1%もおらず、社内独自の謎のバージョン管理システムを使ってソースコードを管理している。

資料は「XXX_Ver2」「XXX_20201201」のように日付で管理されている。

99%の社員はExcelとPowerPointしか使えない。

コンサルタントのように美しいスライドを作っているかというと、そういうわけでもない。つまり、資料作りの専門性もない。

ごちゃごちゃと文字を詰め込んで、見づらく、わかりづらい身内向け資料を、毎日夜中まで残業して作っている。

SIerでは何の専門性も身につかないのだ。

こっちの記事もおすすめ→プログラマに転職するためにはどんな技術を学べばいいか?プログラミング言語の選び方を教えます

人に怒られないための仕事

SIerの人たちがなぜ字が詰め込まれた見づらいパワポ資料を作り続けるのかというと、レビュワーに怒られないためである。

怒られないために細々とツッコミどころを潰し、ごちゃごちゃと情報を詰め込む。

身内の「偉い人」を納得させるために、長い時間をかけて資料を作り込み、身内の「レビュー」を乗り切るために夜中まで頑張る。

無論、会社のお金はただでは出せないので、承認プロセスは重要だ。

「高いお金を出すための価値がそのプロジェクトにあるのか」

という点を、株主に変わって会社の偉い人が判断しなければならない。その理屈はわかる。

だが、そのプロセスが長すぎる。

SIerでは1000時間(5人でそれぞれ200時間)かけて素晴らしいプロジェクト計画書を作り込むのだが、実はそのプロジェクト計画書は全く当たらない。

1000時間かけても全然スケジュール通りに進まないのだ。

スケジュール通りに進んでいないのが可視化されたときは「炎上」とされる。

炎上すると「偉い人」から報告の際に色々とツッコミが入るので、報告書の言い回しを変えるなど、意味不明な言い訳をたくさん作ってしまうのだ。

言い訳のスキルばかりが上達して、本質的なプロジェクトマネジメント力は何も身に付いていない。99%のプロジェクトは計画通りに進まない。

ごく稀に「炎上」していないように見えるプロジェクトも、実際は現場の社員が7時から23時まで働いて鎮火しているケースがものすごくたくさんあるのだ。

一日8時間の稼働を16時間に引き延ばして、「順調に進んでいます」と報告する。

その計画、何の意味があるんですか?

現場、見えてますか?

マネージャーは偉い人に怒られないようにいつまでも残業して、細々とした資料を作る。
チームリーダーはマネージャーに怒られないようにいつまでも残業して、身を削って資料を作る。
パートナー企業の方はチームリーダーに怒られないようにいつまでも残業して、COBOLのプログラムを書く。

部長に上がるまで延々としんどい業務をやり続けるのがSIerの仕組みなのだ。

誰も幸せにならないし、長く入ると人間が腐ってくる。ツイッターで「@SIer」とついた中年アカウントを見ればわかるが、だいたい性格がねじ曲がっていて、頭が悪い癖にプライドが高い。

「こういう奴らが意思決定するからSIerはいつまでもダメなのだ」と思わずにはいられない仕様になっている。

SIerに長く入ると人間性がバグってくるのだ。真っ先に「障害報告書」を書かなければいけない。

減点主義の文化

「チャレンジを後押しする社風」みたいなのをアピールするSIerは数多くあるが、チャレンジは基本的に後押しされない。
構造的にチャレンジできなくなっているからだ。

SIerはお客さんにお金をもらってその人達のためにシステムを作っている。
何も障害が起こらず、「お客さんに言われたとおりに動くこと」が至上命題となっている。

チャレンジをして障害が起こったら目も当てられない。
だから「前例にないこと」はやらないし、やらせようとしない。

「今までとほとんど同じ」

「変わるとしても少しだけ」

みたいな、なんちゃってエンハンスメントでお金をもらい、10年経ってもほとんど変わらないプロダクトを保守し続けるのがSIerの仕事である。

SIerのビジネスモデルではチャレンジは求められていないのだ。

言われたことに忠実に、ロボットのように、忠誠心高く働くことが求められている。
独創性など必要ない。
顧客に言われた通りでなければいけない。

顧客は先進技術なんて知らないし、IT担当者がITに詳しいわけでもない。

「ちゃんと動くものを出す」

「昔から使っている人が文句を言わないものを作る」

のが目標になるため、基本的に新しいチャレンジは必要とされない。

新しいチャレンジをしたい場合は、

「なぜ新しいチャレンジをしたいのか」
「そのチャレンジにどんなメリットがあるのか」
「そのチャレンジは何の問題を解決するのか」

を説明しなければならないのは、どこの会社でも同じである。

だがSIerの場合はそのプロセスが恐ろしく複雑で、面倒くさい。
そしてチャレンジしても給料が上がらないので、チャレンジが報われない。

チャレンジできなすぎても職務経歴書に書くことがなくなってしまうので、SIer社員の悩みは尽きない。

SIerからウェブ系に転職する際の職務経歴書の書き方

何を言うかよりも誰が言うかで判断される文化

SIer企業内では社員の肩書が重視される。

なんとか部長が言っているからOK。
なんとか部のなんとかさんの許可を得なければいけない。

みたいな、何をするかよりも誰かに許可をもらうことを重視される節がある。

言うまでもなく、こういう調整業務は無駄が多くなる。

肩書至上主義は腐敗した組織の特徴だ。

発言内容で何かを判断するのではなく、「誰々が偉いから正しい」みたいな、権力主義のゴマすり文化がはびこってくる。

それで、そういう偉い人のレビューを受けて、偉い人にお墨付きをもらうためにまた時間をかけて会議をする。

結局、動いているプロダクトに関する作業以外に膨大な時間が取られて、肝心のプロダクトの改善に手が回らない。

だから使いづらく、クソUXシステムが延々と動き続ける。

SIerの社員はユーザーを見ないで、社内ばかり見ているのだ。
ユーザーを見ているつもりが、内部対策ばかりに目が言っている。

会議多すぎ、一日のほとんどが会議

朝の10時から夜の18時までずっと会議で、18時から自分の作業を始める、みたいな人が多い。
とにかく一日中会議を詰め込まれているのだが、その会議の生産性はめちゃくちゃ低い。

だらだらと読めばわかるような進捗状況を輪読スタイルで報告して、「うんうん」と話を聞いていく。
何の意味があるのかわからないが、やめようとしない。

「みんながやってるから」
「今までやってきたから」

で、無駄な作業を削らない。

作業を足すのは奨励されるが、「やらない判断」はしないのだ。

なぜなら、「何かをやめて、問題が起こったときに責任を取るのが嫌だから」

SIerをおかしくしているのは、病的な責任回避思考である。

とにかく責任を取らないように、失敗しないように、誰にも責められないように、業務を積み増していこうとする。

「それ、意味ないよね?」が誰も言えない。

「全く意味のない業務」はないのだ。
どんな業務だって、やったほうが良さそうには見える。

それでもリソースは有限だから、優先順位をつけて、効果が低そうなものは決断してやめなければならない。

だけど、みんな「何かをやめて問題が起こるくらいなら、残業しよう」と考えるため、いつまでも消耗戦が終わらない。

気がつけばみんな疲弊して、疲れた顔で仕事をしている。

社員の勉強不足

SIerの社員は真面目な人が多い。

みんなものすごく真面目に資格試験の勉強をする。
情報処理試験をたくさん受けて、高度情報処理技術者試験の資格を取って自慢している人もいた。

すごいけど馬鹿だなと思ってみていた。

SIerの仕事は権威主義的で、表面的なものが多い。

自分で何ひとつプロダクトを作らないから、その人の実力はふわっとしか測れず、資格試験の合格実績などが錯覚資産として使われる。

SIerの社員は基本的に真面目だが、勉強不足である。

まともに技術の勉強をしている人は10人に1人もいない。
その一つの原因としては、みんな残業しすぎて時間がないところにあるのだが、それ以上に「興味・関心」が薄いのだ。

資格試験には興味があっても、テクノロジーには興味がない。

顧客の業務については業務時間に調べるけど、ビジネスができる人は少ない。

周りの人が勉強不足なため、業務中に学びが少なく、それゆえに仕事がつまらない。

それでもSIerがやめられないのは、給料が上がっていくからだ。

給料が上がっていくから辞められず、辞められないうちに手遅れになってしまう。

本来であれば、早めに転職サイトにでも登録して、エージェントの話を聞きながら、冷静に自分の市場価値を判断するべきだったのだ。

申請ばかりで仕事が進まない

何をするにも申請が必要だった。

申請→許可をもらうまでは自分の判断で仕事ができない。

これが実にストレスであった。

申請し、許可を得ることで、作業の最終責任は「承認者」となる。
そんな儀式のためなのか、何をするにも申請が必要だった。

その申請がいちいち面倒なのだ。

どんなにダッシュ力がある人でも、「よーいドン!」でスタートしたときに毎回出鼻をくじくような猫パンチを食らわされていたら、走る気がなくなってくるだろう。

それと同じで、「何をするにもまず申請」で、自由度が著しく低く、ストレスが多かった。

この「申請主義」はSIerの退屈さの大きな要因の一つである。

ミスを起こさないために細々とした承認プロセスを設定し、承認なしでは仕事が進まないようにする。

すると、社員一人ひとりの自由度は大きく損なわれ、独創性や自主性を発揮する余地が削られ、全てが決められたプロセスの上での作業となる。

「これ、俺じゃなくてもできるよね?」

という疑問が沸き起こり、「本当にこのままこの会社にいていいの?」という不安が常につきまとってくる。

こっちの記事もおすすめ→SIerはなぜ労働時間が長いのか?長時間労働の構造的な原因を探る

転職活動は「始める」だけで価値がある

転職活動を始めると予想外の発見がたくさんある。

まず職務経歴書を書くだけでもキャリアの振り返りができるし、面接を受けてみると自分の客観的な評価がわかる。

自分が何で評価されているのか。
何を期待されているのかがよくわかる。

求人を眺めると、今世の中ではどんな技術のニーズが高くて、どんな会社の残業時間が少なくて、どんな業種の給料が高いのかもよくわかる。

これらは実際に転職活動を始めてみないと全然見えないものだ。
本気でやってみてこそ、学びがある。

転職本を読んだり、転職系のツイッターアカウントをフォローしても、実際に転職活動してないと、内容は頭を素通りしてしまう。
とにかく自分で転職活動をやってみること。

応募すること。
面接を受けてみること。
エージェントと話してみること。

行動から得られる学びは書籍からの学びより大きい。
この長い記事をここまで読んだあなたはもう、心の準備はできているはずだ。

一歩目は転職サイトへの登録からです。




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