SIerでは古くなったシステムを新しくするモダナイゼーションプロジェクトが複数走っていますが、基本的にはうまくいきません。
なぜうまくいかないかというと、誰も理解できないスパゲティプログラムになっているからです。
スパゲティプログラムというのは、処理と処理がスパゲティのように複雑に絡み合ったプログラムのことです。
オブジェクト指向が提唱されるはるか昔、構造化プログラミングが定着していない時代に作られた古代言語COBOLで、ステップ数を評価の指標とし、ぐちゃぐちゃと意味不明な構文が並んでいるのがSIerの古き悪しきレガシーシステムです。
「古いCOBOLプログラムを読み解いてJavaで書き直そう!」というプロジェクトはたくさんありますが、軒並み失敗しています。
SIerの社員はそもそもプログラムが書けないし理解もできないので、
「COBOLで書いたプログラムをそのままJavaで書き直そう」
とします。
COBOLプログラムをJavaに変換しようとするのです。馬鹿です。
元がスパゲティになっているプログラムを変換しても、Javaのスパゲティができるだけです。
結局、言語がCOBOLからJavaに変わっただけで誰もメンテナンスできないプログラムができあがります。
ちなみに「COBOLを自動変換できるぜ!」みたいなツールはこれまで何度も登場しましたが、そのツールによって救われたプロジェクトは知りません。
ゴミを自動変換して出来上がるのは、さらに出来の悪いゴミだからです。
32bitのCOBOLを64bitに移行するだけでも色々な不具合が出て死にます。
膨大なコストをかけて何も出来上がらず、社員もお客さんも疲弊して終わり、という事例が跡を絶ちません。
ちなみにCOBOLのリプレイスプロジェクトはとにかくCOBOLを捨てるのが目的になってしまいがちで、COBOLが入れ替わったからといってユーザーが使いやすいシステムができるわけでもありません。
プロジェクトの社員は全員が疲弊し、プロジェクトは必ず炎上し、顧客に届ける価値は上がるわけでもなく、お金と時間だけが無駄になります。
SIerで古いシステムのモダナイゼーション(刷新)担当になったら、すぐに逃げなさい
SIerのモダナイゼーションプロジェクトからは逃げなさい
SIerのモダナイゼーションプロジェクトは基本的には地獄です。
モダナイズ(システム刷新)の目的は、本来であればレガシーになりつつあるシステムを新しくすることで、セキュリティを担保したり、開発スピードを上げて顧客へ価値を届けやすくするためにあるはずです。
しかしながら、SIerではシステムを刷新したとしても開発スピードは一切上がりません。
SIerの「開発」の大半は資料作り・会議・調整・承認・レビューに費やされるので、手を動かさずに椅子に座って腕を組んで承認してくるおじさん達をクビにしないと開発スピードは上がらないのです。
SIerが刷新すべきは「システム」ではなく、まず「人」なんです。
とはいえ、日本の解雇規制は厳しいので、おっさんはクビになりません。
意思決定層がずっと居座るので、会社の文化は一切変わりません。
あなたがおっさんになるまでも、あなたがおっさんになってからも、文化は変わりません。
だからやばいプロジェクトからは逃げましょう。
SIerで人材価値を消耗するな
転職活動では「業務経歴」が見られます。
業務で何を経験して、何ができるようになったか。
その経験は転職先でも「再現」できるのかが見られます。
SIerのモダナイゼーションプロジェクトは当然、SIer特有のものです。
複雑なスパゲティコード、進捗会議、Excelの詳細設計書の作り方…などは他の企業では評価されません。
「Excelの詳細設計書をたくさん作りました!」
と面接で言っても普通の企業なら
「お、おう…」
としか反応しません。
なぜなら、SIer以外で必要とされないスキルだからです。
なのでなんとか「こじつけ」で「マネジメントスキル」や「リーダー経験」をアピールすることになるのですが、そんなものはSIer社員の立場があるからこその「リーダー」です。
砂上の楼閣・陽炎のようなもので、SIerから離れてリーダーが再現できるとは限りません。
そもそもSIerのリーダー業務でさえ社内で再現性がありません。
なので、SIerの経験はひどく脆いものなんです。
転職市場に自分を売り出すと、意外と書類が通ることに驚くと思います。
ウェブ系に書類を出しても
「とりあえず話聞いてみるか」
くらいに思ってくれるのです。
ですが、ウェブの人たちが期待しているのは「テックだけど新卒で間違ってSIerに入っちゃって転職活動を始めた人」であって、
「SIerで手を動かしたことはありません。プログラミングわかりません」みたいな未経験者ではありません。
なので、書類が通っても面接に進むと辛くなります。
「あ、業務でエンジニアリングしてないんだw」
みたいな呆れた反応をされることもあります。」
年を取れば取るほど、ポテンシャルを見られる余地は少なくなります。
人生で一番若いのは今です。
だからこそ、「SIerやべーな」と思っている人は今すぐに転職活動を始めなければいけないんです。