仕事

SIerの業務用パソコンのスペックは「メモリ4GB」開発環境が悪すぎる

ツイッターで「メモリ4GB」が話題になっていた。

アイリスオーヤマが文部科学省の“子供1人にPC1台”施策「GIGAスクール構想」の需要を見込んで、満を持して発売したとかなんとか。

そんな「メモリ4GB」に対して、ツイッターは「人権侵害」の声が溢れていた。

メモリ4GBで仕事させる会社は人権侵害をしてる自覚を持ってほしいと。

メモリ4GBは典型的な「低スペPC」だと皆が叫んでいる。
メモリ4GBのパソコンは糞だと。

私は平均年収が高いと言われるSIerで働いてきた。

SIerというのは、まぁいわゆるIT企業である。

IT企業で長い間働いてきた。

会社では業務を遂行するためにパソコンが支給される。

10年前の2010年。平均年収1000万を超える大手日系SIerのパソコンに搭載されていたメモリは

2GB

であった。

4GBが低スペ!?

贅沢言うんじゃない!私の業務用PCは2GBだったんだぞ!と言いたい。

時が経ち、古いパソコンが動かなくなって2016年に買い替えた業務用PCのメモリは

4GB

であった。

2GBの進歩である。大きな大きな進歩。最新の4GBパソコン。

4GBのパソコンでで業務を進めていたのは私だけではない。

周りの人間、数千人いる社員全員が4GBで仕事をしていたのだ。

4GBをなめてはいけない。

ExcelもPowerPointも開くことができる!

ExcelとPowerPointとOutlookが動けば SIerの仕事は何でもできる!

IT業界が4GBで動いているのだ。他の業界でも4GBで仕事ができるだろう!甘えるな!

と思ってはいたし、みんなそう思って仕事していたのだろうが、さすがに不愉快な思いをすることが多かったので、自腹でメモリを買ってレッツノートの裏蓋を外して4GB分増強して使っていた。

4GBのパソコンに人権が侵害されていたかはわからないが、精神は汚染されていたと思う。

自宅で使っているMacBook Proには32GBのメモリが積まれている。

最近のソフトウェアもサクサク動くが、会社のパソコンではたぶん動かせない。

私の人権は侵害されていたのだろうか?

SIerでは何千人と社員がいて、4GBのパソコンを使っていても誰も「困っている」とは言わなかった。

みんなやせ我慢していたのだろうか?そうではない。

ExcelとPowerPointしか見ないので、パソコンのスペックなど気にしないのだ。

SIerには偏差値が高い人がとても多かったが、ものすごく頭の悪い人ばかりだった。

頭は悪いが受験勉強で培った根性はあるので、無駄なことを無駄と思わず、非効率で突き進もうとするアホばかりだった。

意味のないことでも「一生懸命やったこと」を評価し、努力しないための努力をする人間は評価しない風潮があった。

メモリ4GBで苦労することを望んでいるようにも見えた。

協力会社(パートナー企業)の開発環境は最悪

いわゆる「SES(システムエンジニアリングサービス)」と呼ばれる業態の会社から、SIerに人が派遣されてくる。

SIerでは「パートナー企業のパソコンのスペックはプロパーの社員を超えてはならない」という暗黙の了解があったため、実際にプログラミングなどを行うパートナー企業の方々も

メモリ4GB

を強制されていた。メモリ4GBのデスクトップPCで、狭くて古く、トイレがいつも埋まっているビルに箱詰めにされていたのだ。誰だってこんな環境で働きたくはないだろう。

しかしメモリ4GBをなめてはいけない。

メモリ4GBもあれば、COBOLのプログラムが書ける。

メモリ4GBあれば、何でもできる。

メモリ4GBを責めるな。メモリ4GBを馬鹿にするな。

メモリ4GBで企業のDXを推進し、世界進出をサポートし、グローバルに飛び出していくのが日本のSIerなのだから。

Eclipse が動かない

SIerのサーバーサイドのプログラミングは COBOL か Java で行われる。
2010年以降はほとんどが Java で、他の選択肢はない。RailsやGo言語が使われることはない。

皆が使っているIDE(統合開発環境)はEclipseであった。

IntelliJ IDEA は誰も使っていなかった。

が、パソコンがしょぼすぎて、Eclipse がまともに動いていなかった。

もっさりとした開発環境で、誰もが我慢しながらコードを書いていたのだ。正確に言うと、我慢していたのは協力会社の皆様だが。

まともにIDEも使えない、npm(を使うプロジェクトはほとんどなかったが)、maven などを使うためにはいちいち社内プロキシの設定を入れなければならないなど、とにかく生産性を落とすための仕組みがあちこちに仕掛けられていた。

抜け穴だらけの社内プロキシに何の意味があるかわからないし、何の意味もないのに思考停止で惰性で続けられたセキュリティ対策なのだろう。インターネット時代の開発にまるでそぐわない、時代遅れの環境だ。

しかしながらSIerの意思決定を担う中年は勉強不足で、自分たちが時代遅れである実感がないので、SIerの劣悪な開発環境は永遠に変わらない。

SIerの中年は、未だに自分たちが先端にいると勘違いしているのだ。

リモートワークでシンクライアント端末

4GBのパソコンならまだ許せたかもしれないが、コロナ禍で今度はシンクライアント端末なるものを導入し始めた。

社内のリモートデスクトップのような環境に皆がアクセスするのだ。ぬるぬる動いて、普通のパソコン操作ですら危うい、クソみたいな環境である。

Visual Studio、Atom、Sublime Text、WebStorm などはインストールが禁止されていた。なぜそんな環境を作ったのか意味がわからなかった。

それでもSIerの中からは不満の声は上がらない。なぜならExcelとPowerPointとZoomの会議ができればそれでいいからだ。

シンクライアントの個人に割り当てられたメモリは4GBで、ハードディスクは64GBだったと記憶している。

とんでもない環境で仕事をしていたものだ。マシンが劣悪なことより、そのマシンを誰も疑問に思わない社内環境こそが絶望的であった。

SIerにプログラミングは必要ない。作っているのはプログラムではなくビジネス

SIerに染まっている人ほど、「SIerには技術は必要ない。顧客のビジネスを作っている」と自信満々に言っている。

PG(プログラマのこと)では単価分を稼げないと。シリコンバレーのエンジニアがプログラミングしながら莫大な利益と年収を稼いでいるのは見て見ぬ振りをして、「俺達はプロジェクト屋だ」といつまでもドヤ顔をしています。

何のスキルもないのに、既存の顧客からぼったくって、「俺達はビジネスを作っている!」と無駄に胸を張るSIerのおっさんはとても多いです。

馬鹿かお前たちは。お前たちのどこがビジネスを作っているんだ。ぼったくってるだけだろ、とツッコミたくなりますね。内部の事情を知っている人間からすると。

SIerの人間の9割はビジネスなんて作ってません。何のやりがいもない「保守・運用」で毎日疲弊しています。

「ビジネスを考えているんだ俺たちは」とほざく中年もいますが、SIerはアホみたいな年功序列の組織体系になっているので、若手は「企画・提案」にはほとんど関われません。

プロジェクトマネージャーになったとしても、ビジネスは作りません。

営業部隊が顧客に提案したものをシステムに落とす。ひたすらに調整するのがSIerの業務です。

SIerのおっさんは勘違いしているのです。冷静に見たらびっくりするくらい無能で無意味で無価値なことばかりしかしてないのに、2000年代の自分たちが全盛期だった頃の思い出をいつまでも忘れられずに、なぜか「自分たちはすごい」と思い込んでる。

いつまでも文系が稼げる国だと思って、テクノロジーを軽視しているのがSIerの中年の現状です。お前が稼げなかったのに文理は関係ない。いつまでも無駄に勝ち誇ってSIerにしがみついていたからだよ。

新卒でSIerに入るな

上で見てきたような劣悪な環境で、時代遅れの開発スタイルを強いられ、頭の悪いおじさんが意思決定の大部分を担うSIerは、未来ある若者が近づくべき環境ではありません。

SIerに入っても何もできるようにはなりません。

社内のルールに精通し、社内の規定通りにプロジェクトを動かすだけで、何のクリエイティビティもありません。

中にいるおっさんは「SIerを理解していない。俺たちは凄まじい創造性を発揮している」と馬鹿みたいに吠えますが、若手はみんな言ってますよ。

「この会社、やばいんじゃないか」

って。

SIerはやばくもないし潰れもしませんが、キャリアは広がりません。

ジョブ型雇用が主流になると、SIer出身者を雇用する理由がありません。SIerで身につくのは会社の中でしか通用しないスキルばかりだからです。

話が本題とそれました。一事が万事。開発者の開発効率を完全に無視し、非効率な環境で開発を強いるSIerで過ごす5年と、快適な環境、無駄な会議もなく、合理的な判断で物事が決まる環境での5年。

新卒の方はどっちが自分の人生にとって有益か、よく考えて進路を選んでください。