SIerを辞めた人に転職の理由を聞いてみた【後悔してる人は少ない】

GAFAの影響なのか、プログラマに対する世間の印象が変わった。

以前の日本では「プログラマ」といえば「キツい、臭い、汚い、給料が安い、キモい」などの象徴とされていたが、今では服装が自由で、年収も高く、場所を選ばずリモートワークができる理想的な職場のような印象を持たれている。

何事でもイメージは大切だ。

そんな世の中の風潮を反映してか、最近はSIerからウェブ系企業や外資ITに転職する人が増えてきた。

その傾向は若手において特に顕著で、大手SIerでは「中堅層の離脱」が問題になっている。

私自身、かなり遅れてのSIer脱出組ではあるのだが、脱出組の特徴として、以下のようなものが挙げられる。

  • 最優秀層は入社3年以内に外資やベンチャーに転職する
  • 次に優秀な層は30代前半でやはり外資かベンチャーに転職する
  • レガシーシステムが嫌になった人が一定数毎年辞めていく

SIerを辞めた人の話を聞いてみると、一番多いのが

「他の良い条件の会社が見つかった」

というもの。

転職エージェントからの紹介や知り合いからの誘いがきっかけで転職する人は割と多い。

ちなみに知り合いから誘われるケースでは、勉強会での出会いから関係がつながっていくケースもあるようだ。

この記事を読んでいる人はぜひ、勉強会に参加してみてほしい。

次に多いのが「会社の仕事がつまらなすぎた」というもの。

何を隠そう、私が転職した理由も「仕事がくだらなすぎる」からである。

2年前くらいの話になるが、

「うちの会社、ヤバいんじゃないか」

と話していた友人がいた。

「業績がヤバい」という話ではない。

SIerの業績はどこも好調だ。

それよりも「仕事内容がやばい」という意味だ。

彼はいつも前向きで、高い向上心を持ち、一生懸命真面目に仕事をする良い男だった。

仕事に対してネガティブなことはそれまで一度も言ったことがなかった。

いつも「良い機会に恵まれた」と感謝していた。

そんな彼が、

「今の仕事、やばいよな…」

とつい口に出してしまっていたのだ。

画面のあるボタンの色を変えるだけのような小さな修正で顧客から500万円もボッタくり、小さな小さな修正にも莫大な工数をかける。

何かを作る時間よりも、何かを作るための計画だったり、計画をレビューする時間だったり、会議する時間のほうが圧倒的に長い。

レガシーなシステムを担当し、日々の仕事はExcelをいじって報告するだけ。

「ベンダーコントロール」といえば聞こえはいいが、実態は

「やってくださいお願いします」

「できましたか?」

「できてない理由はなんですか?」

とケツを叩くだけ。

これが大手SIer社員の業務の実態である。

あまりにもやりがいがない!
あまりにもくだらない!

人生は一度きりしかないのに、たった一度の人生なのに。

若くて貴重な一日を無駄な会議で浪費し、長時間働いて何も成長できた気がしない。

「社内調整」ばかりできるようになって、肝心のシステムエンジニアリングのスキルは全く身に付かない。

毎日毎日同じような作業を延々と繰り返し、使っている技術は10年前から何も変わらない。

成長しない。

システムは新しくならない。

永遠に古いままで、中身がわからないレガシーなシステムを保守し続ける。

会議と報告と調整に奔走し、毎日夜遅くまで働いて、いつの間にか1年が終わる。

そんな状況は変わらない。

絶対に変えられない。

その絶望が「やばい」という言葉になって、口から出てきてしまったのだろう。

「今の会社、本当にやばいんじゃないか」

足元の業績は堅調で、すぐに崩れる気配はない。

しかし、「自分の業務に何の意味があるのかわからない」というSI社員はものすごく多い。

40歳を過ぎると思考が停止するので、開き直っていちいち悩まなくなるけれど、27歳〜34歳くらいまでのちょうど中堅にいるあたりの社員は特に悩みがちだ。

仕事の全体像を理解した。

今やっている業務も問題なくこなせる。

問題なくこなせるけど、この作業、無駄が多すぎない…?

そして会社を辞めていく。

それぞれのパターンを詳しくみていこう。

年収上がる会社を見つけて辞めるパターン

人づての紹介で転職していく人もいるが、多くの人は

「今すぐではないけど良い機会があったら」

と転職サイトに登録して、年収が上がる条件で転職を決める人がいる。

AWSであったり、コンサル系の会社であったり、外資であったり、転職先は様々だが、2021年現在、コロナはどこ吹く風でIT系はどこも採用を拡大しており、とにかく年収が上がりやすい。

特にアクセンチュアやAWS、マイクロソフトなどに採用が決まると、ほぼ間違いなく年収は上がる。

日本で最も年収が高いSIerよりもさらに高給のオファーが出る。そりゃあ転職するよな、という感想である。

ただ、リスクもあるので注意しよう。

AWSは残業も少なく、ホワイトな職場だからいいが、アクセンチュアや外資コンサルは割とブラックな部分も多い。

残業は当たり前で、面接でもストレス耐性が問われる。

キツくても年収が上がればいい、という人はチュアを狙うのもいい。

特に近年は採用を拡大している(同じくらい退職する人もいる。それは健全な姿だ)

アクセンチュアで感動したのは、日本のSIerが全く対応できていないアジャイル開発を自然な形で取り入れていることだ。

中途採用が多いため、プロパー主義の日系SIerに比べて「他社の文化」を取り入れやすいのだ。

スキルのある社員を中途で高給で採用する。

中途の社員が会社をいい方向に変えていく。

そして新しい文化に馴染めない古い人間はレイオフされていく。

だから、会社は変わっていけるのだ。

人をクビにできないから、日系SIerは変われない。

流れない水が腐っていくように、退職させられない社員も腐っていく。

さて、「年収を上げたい」という明確な動機があって転職する人は、エージェントを使おう。

これはポジショントークでも何でもなく、エージェントを使ったほうが書類選考が通りやすいからだ。

コネのないSIer社員の場合は、自由応募で出すよりもエージェントにプッシュしてもらった方がやりやすい。

面接の日程調整や年収交渉、選考辞退の連絡まで全部やってくれるので、非常に楽である。

もしどれか一つで迷っているなら、とりあえず「JACリクルートメント」を使うといい。

JACリクルートメントはリクルーターと企業が1対1でつながっていて、企業とリクルーターの結びつきが強いので、書類選考が通りやすい。

私も大変お世話になった。

職務経歴書のブラッシュアップなどの相談にも乗ってくれて、エージェントと仲良くなると転職がとてもやりやすくなる。

条件を伝えると良い求人を次々と出してくれる。

「条件を上げて転職したい」という人にはまず「JACリクルートメント」をおすすめしたい。

エージェントは最初の面談で「転職の目的」をヒアリングしてくるので、そのときに明確に「年収を上げたい」と伝えること。

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仕事がつまらなすぎる

SIerを辞める人で多いのは「仕事がつまらなすぎる」というものだ。

SIerの仕事はとにかくつまらない。

中で頑張っている人には申し訳ないが、マジでつまらん。

SIerの仕事はなぜつまらないのか?中の人が真剣に考えてみた

協力会社の管理に明け暮れ、一日中会議をして、会議が終わったら報告資料やExcelの進捗資料とにらめっこする日々。

正直言うと、何のやりがいもないだろう。何の成長もしない。同じ毎日が同じように過ぎていくだけだ。

やりがいもなく、成長実感もなく、このままつまらない毎日を過ごして。

人生それでいいのかよ、という感じで会社に行きたくなくなる。

社会的に大きな意義がある仕事をしているんだ!と思い込まないとやってられない。

それでも、どんなに大規模なシステム開発をしているといっても、業務の実態はExcel仕事だ。

Excel方眼紙の山と、終わらない会議にだんだんとモチベーションが削られていって、何のために仕事をしているのかわからなくなる。

モチベーションはまったくないのに、上司に詰められるのが嫌で、毎日深夜まで残業する。

「嫌な仕事で残業する」

というのは、人間の精神を最も削る行為である。

つまらなく、やりがいもなく、成長している実感がない仕事は疲れる。

一日中疲れる仕事をしていると、業務後に勉強する気力もなくなってしまう。

人間の気力は有限なのだ。

毎日毎日残業して、同じことの繰り返しで何のために働いているのかわからない。

さっさと辞めたいのに転職活動を始めるのはしんどい。

仕事は嫌だ。
でも時間もない。

早く辞めたいのに、もっと楽しく、成長できる職場で働きたいのに…!

どうしたらいいんだ…!

…という人にはdodaへの登録をおすすめしたい。

理由はdodaは「取り扱ってる求人数」が圧倒的に多いからだ。

地方の求人なども広くカバーしていて、dodaを使っていればとりあえず良い会社は見つかる。

エージェントの方も丁寧に話を聞いてくれる。

dodaの良いところは取り扱っている求人が幅広いため、

「私達SIer社員が必要とされている職場」

を紹介してくれる点だ。

他のエージェントだと割と際どい求人も「チャレンジしましょう」という感じで紹介してくれるのだが、「SIerの経験を必要としている会社」をちゃんと選んで幅広く紹介してくれる。

結果として、選考がサクサク進んで精神衛生上とても良い。

ちなみに自分はdodaのエージェント経由で書類に落ちた記憶がない。

「SIerでプログラミング経験が少ないけどウェブ系に転職したい」みたいな要望もよく聞いてくれて、

「経験が少ないのであれば、ポテンシャルを見て育成する余裕がある、大きな会社でかつ、いま採用を拡大している会社を探します」

という感じでいい求人を次々と紹介してくれる。

自分の場合は楽天やカカクコムなどを紹介してくれて、書類も通った。

ちなみにdoda経由に登録すると、「パーソルキャリア/バイリンガル・リクルートメント・ソリューションズ」という会社の方が連絡をくれるパターンもある。

そこの人つながりで外資ITの先端技術を取り扱う部署に書類を通してもらい、最終面接までいった。

今の環境が嫌で抜け出したい人。

「こんな転職がしたい!」という明確な目標はないけれど、幅広く求人を見て、何か良い会社があれば転職したい、という人にはdodaを強くおすすめしたい。

\dodaに登録する(無料)/

参考記事:SIerから自社開発の会社に転職する方法

SIerに絶望した人の行動パターン

SIerに絶望した人の行動パターンは3つに分けられる。

1つ目は、さっさと転職するパターンだ。
こちらが9割で、「この会社は変わらない」と見切りをつけて転職する人はすごく多い。

2、3年でさっさと辞める人もいる。

SIerを転職した人の多くは、楽しそうに仕事をしている。
後悔している人はいちいちFacebookなどに投稿しないからなのかもしれないが、会社のスピード感のなさやレガシーな状況に不満を持っていた人の多くは、新しい環境で楽しそうに仕事をしている。

SIerをやめると情報発信が飛躍的に増えるのも面白い特徴だ。
SIerの人の多くはガラパゴスになった小さな島の中で縄張り争いに終止し、情報発信すらしないのだ。

2つ目は、会社で働きながら外の環境との接点を増やすパターンだ。

ビジネススクールに通ったり、勉強会に参加したり、セミナーに行ったりして人脈を築いていく。
人脈を増やして、それからは逆に社内向けにセミナーを開いて、社外で得た知識を還元しようとする人もいる。

3つ目は、副業でワンチャン狙うタイプだ。

株やFXをやってる人もいる。
ブログやアプリで副収入を得ようとする人もいる。

だが副業は所詮副業で、うまくいって独立する人は少ない。
そもそもSIerにいる人の多くはビジネスセンスがないので、副業をやっても成功しない。

考え方が保守的で、何をやっても型にはめることしかできないので、市場で必要とされる新たな需要を埋めることはできないのだ。

SIerからの転職先

最大手のSIerからの転職先で一番多いのは、同業のSIerだ。
特にアクセンチュアなどの外資系に転職する人は多い。本当に多い。

給与アップを狙うなら外資に行くほうが都合がいいからだ。
AWS、Googleに行く人もいる。情報系大学を出てSIerの基盤系の部署に入った人は、外資ITに転職する傾向が強い。

他にはスタートアップに転職する人もいたし、中規模のウェブ系企業に転職する人もいた。

転職先は様々だが、多くの人が「転職してよかった」と言っている。

自分の行動を正当化したいからではなく、「不満を持ったままずっと働くよりはずっといい」のは当たり前だ。

転職経験自体が財産だ。

ただ、外資に行く人以外はだいたい年収は下がるので、そこには注意が必要である。
詳細に人生プラン、キャリアプランを練っておいた方がいい。

計画なんて100%ずれていくが、計画は希望でもある。一生低年収で浮かばれないと思いながら働くのは辛いものだ。

ウェブ系で技術を身につけて、金と自由を手に入れるんだ!という希望を持って転職しよう。

SIerの中にいる人間と転職した人間で埋められないほど差がついている件

SIerをやめた人はFacebookの投稿が増える。
会社の業務の紹介だったり、自分の仕事の内容を投稿したり、新しい技術の投稿が一気に増える。

なぜなら、SIerの業務は「自分はこんな仕事をしている」と自信を持って紹介できるようなものではなく、地味で、退屈で、意味があるかわからないExcelやPowerpointの作成が主だったからだ。

Facebookに投稿できるわけがない。必然的に、SI社員のFacebookの投稿は、ゴルフだったり家族だったり、プライベートのものが多くなる。

「なんかすごいことしてそう」とは言われるけど、中の仕事は地味すぎて決して楽しいものではない。

「ネガティブな愚痴をいう人間はたいした仕事をしていないから」とマウントを取ってくる人もいるかもしれないが、そういう人は意識だけ高くて現実が見えない人だろう。

SIerで仕事をしている人の9割は、地味で退屈で、意味があるのかないのかよくわからないと悩みながら仕事をしている。

「仕事だから」と割り切って、頑張って働いている。

「弊社がこんなサービスをリリースしました!」

なんてFacebookに書けない。

実際の業務は、

「三ヶ月かけて、20人の体制で、古いアプリの古いデータを入れ替える作業を完了しました」

みたいなものだからだ。

「20人をしっかり管理し、プロジェクト計画通りに作業を完遂しました」

というのは、社内向けの報告ではいいかもしれないが、胸を張って他人に語れるような仕事ではないだろう。

SIerから外に出て頑張ってる人と、SIerの中で悶々としながら働いている人の差は、埋められ難いほどになっている。

以前はSIerが5年遅れの仕事をしているイメージだったが、今では10〜15年遅れになっている感じがする。

その差はどんどん大きくなって、もはや取り返しのつかないほどの差になっているような気もする。
いまはお客様に恵まれていて、収益はしっかりと上がっているが、個人の専門性については絶望的である。

業績が傾いたときは正直大変なのではないか。



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