【将来性なし】SIerでCOBOLのプロジェクトに配属されるとどんな地獄が待っているのか?

SIerでCOBOLで書かれたプロジェクトにメンバーとして参戦したことがあります。

古代言語COBOLのプロジェクトの担当になると、まず驚かされるのは、社員でCOBOLを読める人が一人もいないことです。
誰もソースコードを読めません。

ソースコードを読めないならどうするか?というと、

「設計書」

と呼ばれるExcelに書かれたフローチャートのようなものをバイブルとして仕様を読み解きます。

「設計書」は大抵「陳腐化」しており、実態のソースコードをかけ離れたものになっています。
なので、協力会社の「COBOLが読める重鎮」みたいな人が一生懸命COBOLを読んで、仕様を理解します。

プロジェクトはいつもギリギリの状態で稼働しているので、古くなったドキュメントはいつまで経っても整理されることはありません。

自分たちが改修する部分だけ体裁を取り繕うようにドキュメントを新しくして、その他は陳腐化したまま温存されます。

なので、時間が経てば経つほどプログラムの修正が困難になっていき、COBOL プロジェクトは必ず炎上するようになります。

そもそも今どき COBOL で動いているプロジェクトというのは、20〜30年前に作られたものなので、誰も中身もわからず、勇気を出して中を見てもぐしゃぐしゃで、50年放置された古民家のようになっています。

臭すぎて手がつけられないのです。

そんなCOBOLプロジェクトに配属されたら、100%確実に炎上します。

プロジェクトでは「エンハンス」と呼ばれて、何らかの変更をプログラムに加えなければいけません。

中身もわからないものを触って直していかなければいけないのです。わけがわからないまま改修していくので、当然時間はかかるし、SIerはテストが自動化されていないので、ちょっと何かを修正するだけで膨大な手作業のテストが発生します。

超非効率で、人間がやるべきとは到底思えない仕事で、人生の貴重な時間を無駄にしてしまいます。

COBOLに将来性はありません。

COBOLのプロジェクトに配属されたらすぐに転職活動を始めるべきです。
そうでなければ、引退までずっと会社にしがみつく覚悟を決めましょう。

COBOLプロジェクトに配属された時点で、「すぐに転職するか、永遠に会社にしがみつくか」どちらかしか選択肢はないのです。

COBOLに将来性はないですし、COBOLプロジェクトに配属されて転職活動しない人は将来のことなど考えていない人です。

大手SIerでCOBOLプロジェクトに配属されたら、飲み会での会話が「社内の○○さんはどんな人だ」とか、「社内の○○なプロジェクトは大変だった」とか、会話が全て”内向き”なことに気が付くでしょう。

キャリアを全て会社に丸投げしている人ばかりなのです。周りが転職など意識していないからといって、自分がのんびりしていいわけではありません。

危機感を持ちましょう。たとえ周りの社員に危機感がなかったとしても。

私はCOBOLプロジェクトに配属された翌日に転職活動を始めました。そして3ヶ月後には辞表を出しました。それくらいのスピード感がないと、蟻地獄のようにSIerのクソプロジェクトに引き込まれて、永遠に逃げられなくなります。

COBOLのプロジェクトに配属された人はもっと危機感を持つべきです。関わった人間のキャリアを台無しにするという意味で、COBOLは本当に危険です。

COBOLプロジェクトでの大手SIer社員の仕事

COBOLのプロジェクトでSIerの社員がやることは何でしょうか?

まずは「計画書」を作ります。
これはどのプロジェクトでも同じです。

膨大な時間をかけてプロジェクトの計画を作り、計画を作ったあとは「たくさんの関係者」にレビューを受けます。

「関係者」は部署をまたいでいることが多く、会議の調整が既に大変です。
色々な部署の関係者が複雑に絡み合っているため、いちいち合意を取るために動き回らなければなりません。

大手SIer社員のメイン業務は「利害関係の調整」なのです。

ソフトウェア開発に費やす時間は全体の5%にも満たないでしょう。
とにかく合意形成と調整に時間が取られます。

COBOLで作られたシステムが令和まで生き残っているということは、裏を返せばそのシステムは会社にとって息の長い主力システムであるということです。
動くお金は大きく、関係者は膨れ上がり、ヘルプデスクやら運営やら基盤やらアプリケーションやら保守やらのチームが複数絡まってきます。

このチームの間の調整が本当に大変なのです。

計画書の合意が取れたら次は、スケジューリングです。
ExcelでWBSを作り、タスクの進捗管理を行います。

Excelに謎の関数を組み込み、開始日と終了日を入力すると自動でガントチャートが引かれます。

このExcelは「●●プロジェクトスケジュール_yyyymmmdd.xlsx」みたいに「yyyymmdd」の日付でバージョン管理されます。
Gitは存在しません。Subversionですら使われません。

COBOLが使われるプロジェクトに携わる人間はモダンな技術に全く関心を持っていません。
「運用チーム」というチームで仕事をしている人は「DevOps」という単語を知りませんでした。

GitとGithubの違いもわかっていない「ライブラリ管理担当者」もいました。
そんな環境にいて、技術に何も興味がないからこそ、COBOLがずっと生き長らえてきたわけです。
誰も現状を変えようとしないからです。

WBSを作ったあとは、パートナー企業の作業の進捗を管理します。
課題表を作り、パートナー企業の進捗を見て、その進捗の状況を「定例」で報告します。

定例は「チーム」「プロジェクト」「部署」の単位で設定され、毎週報告のために膨大な時間を費やします。
また、計画は大抵ずれていきます。SIerで長年働いてきましたが、ずれなかった計画は見たことがありません。

ウォーターフォールの計画は必ずずれて、それらは基本的に残業や休日出勤で帳尻を合わせるようになっています。
なぜこんなに計画がずれるのかはTOC(制約理論)を読めばよくわかるのですが、その話は別にしましょう。

業務時間のほぼ全てが進捗管理、ベンダーコントロール、報告、資料作り、会議、調整に費やされます。
まともなエンジニアであれば、

「こんなことをして、俺に何かスキルは身に付いているのか?」

「俺の市場価値、やばくないか?」

と疑問を抱きます。

進捗管理は「その会社内でのお作法」のように見え、汎用性がなく、他の場所で使えるか自信が持てないからです。
というより、毎回プロジェクトが炎上するということはすなわち、「SIerのプロジェクト管理に再現性はない」ということで、再現性がないスキルは他の企業で活かせません。

調整や報告のようなソフトスキルばかりが鍛えられ、専門性のなさに不安を抱いた若手社員が退職していきます。

SIerの素晴らしい福利厚生を持ってしても、意識の高い社員の流出は抑えられていません。

「この仕事のやり方では将来がない」

と感じてしまうからです。

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COBOLのプロジェクトに配属されたらすぐに転職活動を始めるべき理由

SIerでCOBOLのプロジェクトに配属されたらすぐに転職活動を始めるべきです。
転職活動を始めるべき理由はたくさんあります。

まずは、人の問題。
スキルの高い人間がおらず、周りから学べることは少なくなります。
報告であったり、社内向けの資料作りがメイン業務となり、専門性が身に付きません。

COBOLのプロジェクトには重鎮のような人が複数いて、そういう人は当然手を動かしません。
なのである程度の年次に上がるまでは無限にタスクを投げられます。
勝手に丸投げされて、仕事が増えているのです。

各々が自分の守備範囲を明確に定め、「自分たちの仕事を増やさないように」警戒しあっています。
縦割りが行くところまでいっているので、自分の範囲外の仕事は何もできません。

次に仕事の問題。
アウトプットが資料ばかりなので、重箱の隅をつつくような「資料へのレビュー」が増えて、仕事が進みません。

上に書いたように各自の業務が明確に定められており、自分の範囲外の何かをしたいときはいちいち調整が必要になります。
その調整にものすごく時間を取られます。

関係者が多いため、会議が増え、一日の大半が会議で消えます。
会議があるということは、準備に時間がかかるということです。
準備や報告資料作りに多大なる時間を取られます。

一日が終わって

「今日、何を学んだんだろう…」

と疑問を抱く日々が続きます。
ずっと続きます。

給料だけが生きがいとなって1年が過ぎると、感情が死にます。
給料があっても、毎日の仕事が楽しくないと地獄です。本当に辛いです。

意識が高ければ高いほど、COBOLの現場は辛いと思います。

もちろん、COBOLの現場では皆が長時間頑張って働いているのですが、その長時間労働に何の意味があるのか?と疑問はずっとつきまといます。
そして人生から彩りが消え、モノクロの世界で

「こんなくだらない仕事に大切な人生の時間を投入して。

毎日14時間も消耗してる。

俺は何のために生きているのか」

と悩みます。

さっさと転職活動を始めましょう。
COBOLの現場は地獄です。

地獄が心地よい鬼もいます。
そういう人たちが回せばいいです。

まともな人はCOBOLの現場からは逃げましょう。
一日でも早く脱出した方がいいです。

すぐに転職活動を始めましょう。



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