SIerに就職を考えている人、SIerに転職を考えている人、SIerで働いている人。
SIerには色々な人が関わっていますが、
「将来どうなるんだろう?」
と気にしている人は多いと思います。
特にレガシーな職場で、何の意味があるのかわからない業務に忙殺されている新人なんかは将来が不安でしょう。
私もSIerの中にいる人間として、SIerの将来を考えてみます。
5年後のSIerの未来
この先5年はSIer各社は安泰です。
特に大手SIerは盤石でしょう。
決算情報を見ても、大手SIerはどこも業績好調です。
世間が「DX(Digital Transformation)だ!デジタル化だ!」と騒ぎ、顧客企業が業務をデジタル化しようとしています。
デジタル化とIT化は何が違うの?という話ですが、アナログな業務をITで効率化するだけでなく、ITの力を使って売上を作っていこう、ITでビジネスを作っていこう、というのが企業のデジタル化です。
たとえば自社でECサイトを作ったり、業務に機械学習を組み込んで見込み客に販促メールを送る、みたいな感じです。
「攻めのIT」なんて呼ばれたりもします。
そんな「DX」を引き合いに出して、SIerは顧客に営業をかけ、受注も好調です。
2025年まではレガシーなシステムの「改修案件」も大量に入っており、業績が危ないどころか人手不足で大変な状況が続くでしょう。
中の人はひたすらに長時間労働を続け、疲弊しながら案件をこなし、売上は伸びていくことが予想されます。
SIerの中の業務内容は「二極化」します。
レガシーなシステムの改修の担当になると、プロジェクトに関わる人は20年前の常識で開発を進めようとします。
使う言語はCOBOLが中心で、あとは下手くそなJavaとShellScript。
SIerの中でしか使われない意味不明な謎のフレームワークについて、サポートに問い合わせをしながら「パートナー企業」の管理をするのが主な仕事になります。
ちゃんとした「DX案件」に関わる人はもしかしたらモダンな開発に携わることができるかもしれません。
ですが、SIerは文化として「先端技術に関わって手を動かそうとする人はサボっている人」とみなす傾向があります。
「手を動かす作業は人にやらせて、SIer社員は管理するのが正義」
という文化があるからです。
なので、DX系の部署で本気でデジタルやろうとしている部署に入れば多少は楽しくなりますが、所詮はSIerでベンダーコントロールが主な業務となると思われます。
ちなみに「DX」などと言っても、SIerの「DX」は口先だけのパターンが非常に多いので注意が必要です。
開発環境にAWSを使っていたらそれだけで
「うちはDXやってる」
と豪語するような部署が山程あります。
本流のプロジェクトはガチガチのウォーターフォールで、アジャイル開発の研修を受けたら「デジタルだ!」みたいに話す管理職もいます。
SIerでモダンな開発、攻めのIT開発を行うのは正直無理だと思います。
ただ、売上は伸びていくでしょう。
10年後のSIerの未来
SIerの本質は変わりません。
「変わらなければいけない」
といいつつ、絶対に変わりません。
みんな目の前の案件に手一杯で、新しいことをやる余裕がないからです。
片手間でアジャイルの研修を受けたり、機械学習のワークショップなどをやってはみるものの、本格的にプロジェクトに組み込むには至りません。
全部「やってる風」にして、偉い人に「やりました」と報告するものの、実態は一切変わらぬまま2030年を迎えるでしょう。
この頃にはさすがにSIerが提供してきた業務の30%くらいはSaaSとして提供されているかもしれません。
SIerの使いづらくてわかりづらいクソシステムではなく、本当の意味でデジタル化された、顧客の利益につながるソフトウェアがSaaSとして提供されているでしょう。
あるいは欧米のように、顧客企業自体が変わり、自社でIT化を進める「内製化」も進んでいくと思われます。
顧客が内製化し始めたらSIerは不要になります。
10年後から20年後の間で、SIerの存在意義は徐々に消えていくものと考えています。
2021年現在、エンジニアが大量に供給されつつあります。
プログラミングスクールの旺盛。
エンジニアのイメージアップ。
エンジニア志望の増加。
こうやって大量に供給された人材は、今はSESに向かっていますが、いずれは企業の内製化に向かうはずです。
IT人材が必要なのはIT会社だけではないからです
ただ、日本の大企業は保守的で失敗を許さず、自分たちが経験していないことは認めない頭の固い人が多いので、案外10年後も今のまま変わらずにSIerにITを丸投げし続けているかもしれません。
少なくとも過去10年は何も変わらなかったのですから、次の10年、20年も変わらない可能性はあります。
ちなみにSIerの業務は今後も永遠に退屈なままです。
それだけは間違いありません。
10年先も永遠に資料を作り続けます。
それしかできないからです。
20年後のSIer
今の40代が老後を迎える時代です。
20年後の日本には定年なんてなくなっているはずですから、60歳を過ぎてもSIerのつまらない業務を続けるわけです。
本当にそんな人生でいいんですかね?
まぁ、何も考えていないんでしょう。
おっさん達が引退して社内の改革が進むかと思うじゃないですか。
変わらないですよ。
みんな、なかなか引退しないし、引退を考える頃には自分たちが老害になってます。
結局、倒産するまでSIerは変わりません。
とはいえ、SIerの業務は日本企業にべったりで、そんな顧客に支えられ、守られているので、顧客が滅びない限りSIerの既得権も温存され続けるかもしれません。
ただし、日本企業が推定していくことは人口動態的にも明らかなので、顧客と一緒に緩やかに沈んでいくのがSIerの運命だと思います。
顧客もITにコストをかけていられなくなってからが本番です。
SIerが独自にデジタルでビジネスを作ることはできないので、結局顧客次第です。
顧客も含めて日本の大企業はとにかく「変わりたくない」ので、2021年の体制を温存したまま、日本とともにゆっくりと衰退していくことでしょう。
それでいいかどうかは、個人の価値観次第です。
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