「リソースが足りません!人を増やすか期限を延ばしてください」→上司「頑張ればできる!」

「リソース」という概念が脳内に存在しない頭の悪い上司は存在する。

最近は官僚の過重労働が話題になっているが、SIerにも似たような人間はたくさんいる。

あるプロジェクトでは脳筋がプロジェクトマネージャーをやっていた。

彼は仕事が大好きで、平日は7時から23時まで働くことを誇らしげに語っていた。
また、部下にもハードワークを求めていて、20時から突然打ち合わせを依頼されることも多々あった。

脳筋プロジェクトに異動となって配属されたとき、彼から言われたのは

「プロジェクト計画書を丸暗記しておいて」

であった。

担当するシステムの仕様については一切の説明もなし。
資料の在り処もわからなかった。

そんな状態で、最初に「お前の役割はこれだ!」と“体制図”と呼ばれるものを見せられ、何の引き継ぎもなく「タスク」と「タスクの締め切り」だけを渡された。

「計画を作って協力会社に仕事を振れ!それを管理して報告しろ!」

とのことだった。

しかしざっくりとしたプロジェクト計画書だけを読んでも協力会社のメンバーに何をやってもらえばいいかはよくわからない。

結局、協力会社のメンバーと相談してタスクを洗い出していった。

その上司は事あるごとに

「レビューだ。レビューしろ。レビューすれば品質は高まるんだ」

と言っていた。

アウトプットを出して、レビューして、再度アウトプットを出して成果物の品質を高めていく、という考え方はわかる。

しかし、ゼロからプロジェクトにアサインされたのであれば、アウトプットの前にインプットが必要だ。

体系的にまとめられた資料など存在せず、散らばったドキュメントをファイルサーバを漁って探さなければならなかった。

タスクについての説明も一切なかった。

「タスクA」という表題だけ渡されて、そのタスクに関するインプットはゼロ。

「こ、こんなやばいプロジェクトがあるのか…」

と即座に転職を決意した。

タスクには元々の締切がある。

SIerでは「この締切通りに進めていく」とプロジェクトが始まる前から決めているのだ。

それを「プロジェクト計画書」という。

私が丸投げされたタスクについて、調査を進めていくと、はじめに定めた締切には間に合わないように見えたため、早めに相談することにした。

「脳筋さん、タスクAですが、調査からわかった内容を元に再度見積もってみたところ、◯月◯日の締切には間に合わず、XXの遅れが出る可能性があります。

本タスクに知見のあるメンバーを追加していただくか、後続のタスクに影響がない範囲で締切を遅らせることは可能でしょうか」

非常にコミュニケーションコストが高い上司だったので、いちいち色々と理由をつけて、丁寧に説明しなければならなかった。

そうやって一つ一つの報告に「理由」と「現状」、「問題点」「今後の見込み」などを考えて説明し、そこで出てきた答えはため息が出るものだった。

「人は増やせない」

「締切は変えられない」

「頑張ればできる」

「俺だったら1週間で終わる」

だったらお前が全部やれや…

リソースやそれぞれの適性や能力を一切考えず、全てを「根性」で解決しようとする人間は割と多い。

その他にも脳筋PMに色々と相談したことはあるが、具体的なアドバイス内容は

「土日も出社して、平日は0時まで頑張ろう」

「寝ないでやったら間に合う」

「協力会社のメンバーが一人でも残っていたら仕事を続けろ」

みたいな根性論ばかりで、「問題を解決するためのインプット資料の在り処や勘所」については最後までアドバイスをもらうことはできなかった。

そんな苦い思い出から、リソース無視の根性上司のようなエピソードを見ると胸が痛くなるし、そういう人間がいる組織には一生近づきたくないなと思っている。