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SIerで保守・運用・エンハンス業務しかやってこなかった人が転職する方法

SIerで保守・運用と呼ばれる部署に長年いると、職務経歴書に書けることがなくなって転職に苦労します。実体験からです。

この記事では私が転職活動で苦労した経験を元に、保守・エンハンス・運用業務で人生のたくさんの時間を無駄にしてきてしまった人がどうやって転職活動を成功させるかを論じます。

範馬勇次郎で結論を書くならば、「競うな、持ち味を活かせ」です。これについては後述します。

SIerにいる正社員の半分以上は既存プロジェクトの保守・運用に携わっていると思います。

SIerの収益のほとんどは保守・運用から生まれるからです。

SIerで経験を積めるかは運次第

SIerで職務経歴書に書ける経験が積めるかどうかは完全に運次第です。

7〜8割の人員が保守・運用という履歴書に書く経験がほとんど積めないプロジェクトに投入されます。

新規構築でも設計や計画に携わるのは年次が上がってからで、若手のうちは名ばかりの「リーダー」という役割を与えられ、ひたすら協力会社の管理をやります。

運良く保守・運用・エンハンスを回避しても、既存プロジェクトの「再構築」という名の無意味なサーバー入れ替えプロジェクトが大量の人員をブラックホールのように吸収しています。

サーバーの保守期限が切れるだかなんだかで、今使っている古いプログラムをちょっとだけ新しくして再リリースするようなプロジェクトです。

いわゆる「名ばかりDX」ですね。

SIerでは現在、たくさんの名ばかりDX案件が動いています。
名ばかりDXには大量の人員が投入されていますが、SIerのモダナイズ(笑)プロジェクトは世の中で最も無意味で無価値な仕事です。

大金が積まれますが、何の価値も生みません。穴を掘って埋めるだけです。

モダナイズといいながら、古いCOBOLをそのままオンプレからクラウドに移すだけのプロジェクトだったり、Javaのバージョンをちょっと上げるだけのプロジェクトに大量の人員が投入されています。かといって、顧客体験は全く変わりません。

古い .NET アプリケーションがレガシーな見た目のまま、動き続けています。

保守・運用・エンハンスも似たようなもので、全くと言っていいほど自分を成長させるような経験が積めません。

SIerで成長しているつもりの人

「成長できない」と書くと、SIerで残業ばかりしている人は反論するでしょう。

「俺は毎日残業して、担当システムの理解が進んだ! 1000MM のプロジェクトの PM をやったんだ!」

と、SIerの人は胸を張ります。

ですが転職活動で「俺は1000MMのPMだろう!すごいだろう!」などと言っても、面接官はポカンとして、「それで何ができるんすか?」と感じてしまうでしょう

  • 職務を通じてどんな専門性を磨いてきたか?
  • 身に付けた専門性は他社で活かせるものなのか?
  • 困難な状況にどう対応し、それは他社で活かせるのか?
  • あなたの経験はウチの会社で活かせるのか?

これらのの質問に “Yes” と答えられるような、具体的な経験を積まなければいけません。

1000MMのPMの経験を転職先でどう活かすのかを具体的に、相手がイメージできるように答えられなければいけません。

SIerで保守・運用をやっている限り、普段の業務は「障害対応」だったり、「エンハンスプロジェクト」という名のしょぼい改修作業でしょう。

SIerの保守・運用・エンハンス業務ほど不毛な仕事はありません。

顧客の価値にはつながらず、毎日意味のない資料を書き、協力会社を「管理」し、去年の自分より今年の自分が何ができるようになったのかが説明できません。

外注丸投げの弊害

SIerのエンハンス業務では、自分が何かやるわけではありません。
協力会社と呼ばれるパートナー企業(外部委託)の人員に「これやっといてね」と投げるだけです。

そうすると、会社から離れて立場が変わり、パートナーに仕事を投げられなくなった時に困るわけです。
面接のときに聞かれても、自分が作ったわけではないので詳しく答えられません。

ソースを読み込むわけでもなく、薄っぺらい「設計書」という名のExcelのお絵かきを読むだけでは、システムがどう動いているかなんてわからないのです。

  • 自分は何ができるのか?
  • 自分は会社での経験を通じて何ができるようになったのか?

というのを、常に自問しなければいけません。ですが、SIerにいるとそんな自問はやらなくなるでしょう。

SIerで仕事をするとは、毎日同じ作業を繰り返すことです。

前例踏襲主義の中で、新しい技術には触れられません。新しい設計もできません。

協力会社に仕事を投げる。Excelで管理する。報告を受ける。会議を聞く。深夜に障害対応する。報告する。

これを延々と繰り返します。

成長はしてません。

SIerで「成長できる」「厳しい環境で鍛えられる」というアホもいますが、その人は「成長」という言葉を履き違えています。

成長とは、たくさん残業したり、たくさん怒られることではありません。

  • 前にできなかった業務ができるようになる。
  • 前にできた業務がもっと早くできるようになる。
  • 前にできた業務がもっとうまくできるようになる。


この3つのうちのどれかを満たした上で、そこで身に付けたスキルが他の場所でも転用できるようになった状態が「成長」です。

SIerでは成長しません。1年に少しも成長しません。同じところをぐるぐる回ってるだけです。

SIerに限らず、「JTC」と呼ばれる日系大企業のほとんどは似たようなものでしょう。

会社の業務以外なーんにもできません。できるようになりません。専門性を身につけるような仕組みになっていないからです。

だからね、できるだけ若い内に転職しましょう。今日が人生で一番若い日ですよ。

個人的にはさっさと転職活動を始めるなら JACリクルートメント がおすすめです。
エージェントが親身になって相談に乗ってくれますし、紹介してくれる求人の質が高いです。

SIerからの転職では職務経歴書に何を書けばいいか?

SIerで長年キャリアを積むと、職務経歴書に書くことがなくて驚くかもしれません。

SIerでは一つのプロジェクトに長年関わる人が多数です。優秀な人であればあるほど、プロジェクトから離れられません。5年、10年と同じ部署、同じシステムを見ている人が大量にいます。

そうなると、職務経歴書に書ける内容がないのです。

「XX プロジェクトの保守・運用を担当」
「スケジュール通りにリリースを行った」
「協力会社の進捗を管理し、品質を担保した」

みたいなことしか書けません。

面接でアピールするにはとても弱いんですよね。保守・運用・エンハンスの経験。だって、SIerの中でしか使えない業務だから。

SIerから転職するときにアピールできることは限られています。

「プロジェクトマネジメントの経験」
「チームビルディングの経験」
「パートナー企業を適切に管理して、プロジェクトを円滑に進めた経験」

をアピールしましょう。

たとえばウェブ系の企業でも、パートナー企業はいます。フリーランスとタッグを組んで開発を進めたりもしています。

ですが、ウェブ系ではそういうメンバーを管理する人がいませんし、苦手としています。

そこで役に立てる!とアピールすれば、採用確率は高まるでしょう。

「技術力」でアピールしても厳しいです。結局、やってる内容や技術レベルはSIerの場合は決して高くないからです。

「大規模システム」といっても、中身を作るのは「自分」ではなくパートナー企業の方ですし、そもそも中身についてはあんまりわかってない人が大半でしょう。

「自分で書いた、設計した、作り込んだ」経験を話したいところですが、SIerからの転職で技術的な話をすると裏目に出ることが多いです。色々と突っ込まれると答えられなくなるからです。

正直に、マネジメント能力をアピールしたほうが面接は通りやすいです。SIerで5年以上働いた人ならなおさらです。個人で何かを開発しても、プライベートのプロジェクトをじっくり評価してくれる人はあまりいませんので、そこは注意が必要です。

技術的な安心感を与えたいなら、半年くらいかけてポートフォリオを作りましょう。

ウェブ上でモダンな技術スタックで何かを作って公開しておくのです。

Rails + Vue | React、 Go + Vue | React で何か作っておくのがいいと思います。

転職を少しでも意識しているのであれば、SIerの人は早く始めた方がいいと思います。

長く勤めれば勤めるほど、SIerにロックインされて抜け出せなくなります。まずは転職サイトに登録してみるところから始めてはいかがでしょうか。