国家公務員試験(総合職)の勉強はいつから始める?合格に必要な勉強時間と独学での勉強法

資格試験の難易度を比較したサイトにこんな文言があった。

「国家公務員試験総合職(旧国家1種試験) 難易度5 超難関 」

国家公務員総合職試験に独学で合格することは厳しいというかほぼ不可能です。

2019年時点でサイトは閉鎖されていたが、国家公務員総合職試験が超難関だと認識している人は未だに多い。

世の中には国家公務員試験を「超難関」と不安を煽る予備校が多いが、独学で合格できないなんて嘘だ。

「独学で合格できない」と煽る記事は、予備校の宣伝だと思ったほうがいい。

「独学では不可能ですよ。だからうちの予備校に来ませんか?」という具合だ。

実際に合格した人を見てみると、半数くらいは独学だった。サンプル数はやや少ないかもしれないが、公務員試験は独学で合格できない類の試験ではない。
少なくとも自分の周りでは、予備校に通って安心している人ほど不合格になる傾向があり、独学の人の方が合格する場合が多かった。

なぜか?

公務員試験は試験範囲が広すぎるからだ。

講義はどうしても独学よりもスピードが遅くなる。
「講義をとっているから大丈夫」という安心感から、どうしても勉強が受動的になる。

結果として、全てを予備校任せにして、予備校と運命を共にしてしまう。

自分の人生は、自分で責任を持たなければならない。

国家公務員は超難関ではない。
しかし、自分の人生をかけるに値する程度には難しい試験である。

自分で計画を立て、何が足りていて、何が足りないのか。
自分の頭で考えなければならない。

予備校はどうしても苦手は教科だけをピンポイントで使うとか、模試を受けるために使うのが一番良いと考えている。

ちなみに、勉強法は『公務員試験受かる勉強法 落ちる勉強法』に詳しく書いてある。

予備校に入ろうか迷っている人は必ず読んでおいた方がいい。

この本のレビューで試験に落ちたと思われる人間が「プロ講師に頼るに限る。予備校に入らなければならない」みたいなことを書いている。

公務員試験は現代社会・政治経済を深く分野ごとに掘り下げた分野が多い。
一般知能・小論文は算数、国語【日本語語彙】が大きく関係しており、これらが苦手な人は小学校・幼児向けの参考書を見るのが恥ずかしいとか言ってないでまず読むべきだ。

結論として、彼らと同じ位置で勝負するにはやはりプロの講師に頼る、1から勉強するしか方法がないと思います。

何を主張したいのかよくわからない、結論につながらない。
この程度のレビューしか書けない人間のいうことを参考にしてはいけない。

費用をかけずに公務員受験に合格する方法

本記事では基本的には独学をおすすめしている。サブ的に予備校の授業を使ったりもするが、国家総合職は独学で十分合格可能だからだ。

といっても、予備校の模試は絶対に必要だし、一人では絶対に勉強できない!という人には予備校のピリピリした環境はとても刺激になる。多少の費用をかけられる人は予備校の利用もアリだ。

学生の場合はかけられるコストに限りがある人も多いと思う。

そういう人には 独学 かつ 無料教材を利用した勉強をおすすめしたい。

ここで「無料」というと YouTube や よくわからないウェブサイトを見ろ、と言われるのかと構えるかもしれないが、そうではない。YouTubeなんて見ても絶対に合格できない。

Kindle Unlimited を活用して、無料で読める素晴らしい教材が大量にGETしよう、ということだ。

2021年に公務員の教材を見て驚いた。 私が5万円以上かけて集めた参考書が Kindle Unlimited で無料で読めてしまうのだ。

内容は全く同じ。というか、最新版。

知っているか知っていないかで大きくコストが異なってくる。

  • 大学入学共通テスト 地学基礎の点数が面白いほどとれる本
  • 大学入学共通テスト 生物基礎の点数が面白いほどとれる本
  • 大学入学共通テスト 化学基礎の点数が面白いほどとれる本
  • 大学入学共通テスト 倫理、政治・経済の点数が面白いほどとれる本

などの、教養科目を攻略するために活用していた本が大量に無料になっている(上の例以外にもたくさん無料で読める情報がある)

活用すべき問題集の情報は後でも詳しく述べるが、Kindle Unlimited はとにかく破壊的にコストを下げられる革命的なツールである(iPadやiPhoneがなくても、ブラウザがあれば読める。スマホだけで十分)

ぜひ活用して、削れるべきコストは削り、本当に大事なものにお金をかけてほしい。

予備校はどういう人におすすめか

アホが独学で公務員試験に合格するのが難しいのは事実だ。

これは大学入学時点の偏差値の問題ではなく、勉強の習慣の問題である。

どのレベルの大学にいても公務員試験は独学で合格可能だし、予備校に行った人間が有利になるわけでもない。
しかし、勉強の習慣が全く無い人に独学は厳しいだろう。

本当に予備校に行った方がいいのはどんな人か?

「大学受験の計画を学校や先生に任せていて、自分で勉強計画を考えたことがない人」

は予備校を「利用する」のがいい。

「計画を任せていた」と書くと悪く言っているように見えるかもしれないが、これは「過去の習慣の評価」であり、良い悪いではない。

未来を決めるのは君次第だし、未来の自分に有利な手段を選べばいい。

ただ、公務員試験は範囲があまりにも広いので、全てを予備校任せにすると「結果のブレ」が大きくなってしまう。

どの分野が得意で、どの分野に弱点があるのかは自分自身がしっかりと把握し、対策しよう。

予備校は予備校で

  • 論述試験の対策
  • 周りにライバルがいることでの自分の立ち位置の把握(と安心感)
  • 自分にカスタマイズされた勉強計画を教えてもらえる

などのメリットはある。

特に「専門科目」は市販の教材に良いものが少ないので、予備校を使うのはとても良い作戦である。

「教養科目」は大学受験の問題集がとても良い出来なので、わざわざ予備校を使う必要はない。

大事なのは、ありとあらゆる手段を考慮し、主体的に利用する心意気である。

いずれにしても、人生を賭けて試験に挑むのに、たかが「お金」で悩むのだけはやめた方がいい。

予備校や教材にかかるお金は、卒業後1年で稼ぐお金の10分の1以下だ。

人生どんな場面でも同じだが、優先順位をつけるのが大切だ。

受験するならお金よりも時間。

環境、教材、模試…大した出費にはならないので、迷わず利用しよう。

親に土下座してもいい。奨学金を借りてもいい。
Time is moneyだ。バイトはするな。

合格するために必要なものは金を惜しまず使っていくこと。

予備校を使うならLECのオンライン講座がダントツでおすすめだ。

長い歴史の中で磨かれたノウハウがあるというのと、何よりも

「通学・通信を問わず、1回のお申込手続きで、80,000円以上の受講料をお支払いの方は、自習室の利用が可能でございます。」

というのが良い。

参考: 通信受講生でも自習室を利用することはできますか。

予備校の自習室こそが、最大最強の勉強環境である。

周りはライバルだらけ。

静かで集中できて、休憩中に散歩するだけでも模試だったり、参考書だったりが目に入って面白い。

常に試験モードで闘える。

朝一番早く予備校に行って、夜一番遅くまで頑張ろう。それを毎日続ければ、絶対に合格できる。

さて、『公務員試験受かる勉強法 落ちる勉強法』について。
予備校を愛する人はこういう受験テクニック本を否定する傾向があるが、食わず嫌いをしてはいけない。

恋愛と受験は小手先のテクニックでかなり結果が違ってくるものだからだ。

読んで「合わないな」と思ったら気にしなければいいし、使えそうな情報をつまみ食いしてもいい。
大事なのは情報の取捨選択だ。

情報の取捨選択ができない人に限って、ツイッターの受験情報なんかに振り回される。
もっと自信を持つんだ。

貪欲に情報を得て、自分で判断すること。
それが受験においても、人生においても大切なんだ。

ここからは私が公務員1種試験に合格した時の経験を赤裸々に語っていく。

国家公務員”総合職”という名前になる前の話だ。とはいえ、難易度はたいした変わらないだろう。

4ヶ月という比較的短い期間で独学で挑戦し、合格を勝ち取った。

もう随分前の話だから、自慢をする気はない。
でも自分の経験が、これから夢を持って挑戦する若者のほんの少しでも力になれたらと思っている。

いま、挑戦を悩みながらこの記事を読んでくれている人がいたら、

「こんな奴でも受かったんだから大丈夫だ」
「私も頑張ろう」
「俺も今日からやってやろう」

と思ってくれたら嬉しい。

時間がなくても本当に大丈夫。

今から頑張ろうとしている君は、絶対に合格するから。

この記事を読んだのが2月でもきっと合格できる。
その代わり、今日から1日も休まず、毎日14時間勉強すること。

勉強時間は必ずタイマーで測ること。勉強した気になってはいけない。
タイマーは2つ買って、1つは総勉強時間の計測に使い、もうひとつは

「5分で10ページ読む」
「10分で1問解く」

みたいな、短い時間の締め切りを設定するために使うこと。

可能な限り勉強時間を増やし、勉強中は極限まで集中力を高めなさい。

そうすれば君は絶対に、絶対に合格できる。
マジで大丈夫。

タイマーオタクの自分が選んだ最高のタイマーはこちら→リテック タイマー デジタ キュービックタイマー

音を消すことができるので、自習室でも使える。
数字キーがついているので、時間の入力が簡単で、設定時間を無駄にせずに済む。

今すぐ購入しておこう。

はじめに

自分は学校でも有名なアホだった。

成績表はほとんど「可」。
サークルとか遊んでばかりで、ろくに授業も出なかった。

進級もギリギリで、第二外国語の単位も落とした。

優等生とは程遠い、不真面目な大学生だった。

なんの貯金も勝算もなく受験した公務員試験。それも1種(=総合職)だ。
みんなが笑っていたそうだ。

ーー馬鹿だな、就活もしないで。
ーーいや、受かんねぇだろ。
ーーあいつ、終わったな。

そんなことを言われていたと、後で聞いた。

年が明けてから4ヶ月間。
それまで生きてきた中で一番勉強した。
なんでこんなに頑張ったかわからないくらい勉強した。

途中からは勉強が当たり前になって、なぜ勉強しているのかなんて考えなくなった。

一日の勉強時間をタイマーで計って毎日13時間。

机に向かっている時間全てが勉強できているわけではないので、みんなもタイマーで測るようにしてほしい。
椅子に座っていた時間なら16時間はあっただろう。

就活が終わって浮かれている友達を横目で見ながら、

「おれ、何やってるんだろう」

と思ったことが何度もあった。

君達も同じように思うことがあるかもしれない。
君達が机にかじりついているときに、浮かれてこの世の春を謳歌する友達を眺めることになるかもしれない。

でも大丈夫だ。
努力は最後に報われる。

全く浮上する気配のない模試の順位を見て、心が折れかけたこともある。

直前まで詰め込んだ。
最後まで余裕は無かった。
記憶力は人より悪かった。

でも、合格した。

すべてが報われた気がした。

振り返れば、もっと効率のよい勉強をすればよかったと思う。
不細工な勉強の仕方をしていたなぁと思う。3時まで眠い目をこすって机にかじりついた。
無理やりコーヒーで目を覚まして、頭をかきむしり、髭も剃らずに机に向かった。

終わって振り返るからこそ伝えられる、「効率の良い勉強方法」がある。

今日はそれを伝えたいと思っている。

合格するために必要な勉強時間

国家公務員1種(総合職)試験 経済区分に合格するために必要な勉強時間は、一次試験突破までに最低900時間。2次試験突破に1000時間が必要だ。

自分はかなり効率を意識して4ヶ月でこれくらい勉強した。
合格した席次は真ん中より下というか、下から数えた方が早いくらいだったが、正直限界ギリギリだったと思う。

もっと早くから勉強を始められる人は、早くやるに越したことはない。

この記事を読んだ後すぐに勉強を始めて、1時間でも多く積み重ねよう。
それが本番の1点につながる。
その1点は人生を変えうるほど重い1点だということを常に意識するべきだ。

合格しない人に共通している特徴は、いちいち行動が遅いことである。

「この本を買って損したらどうしよう」
「勉強に向いてなかったらどうしよう」
「予備校に入るかどうかはじっくり検討してから決めよう」

みたいに、グジグジと悩んでばかりで行動しない。

そういう人は何をやってもうまくいかない。

やると決める。決めたら計画を立てる。計画を立てて行動する。

シンプルだ。
でもこれができない人が多いのだ。

逆に考えると、すぐに行動できた時点で受験生の上位20%に入ることはほぼ確定している。
そして受験とは上位20%の連中との闘いであることを意識するべきだ。
下位の人間に構っている暇などないのだ。

合格証書と合格後

公開するか迷ったが、この記事を読んでいる人に「合格後」をイメージしてほしいので載せる。
合格証書はこのようなものが送られてくる。

個人情報を隠すためぼかしているが、実際には席次などもちゃんと載っている。
これは自慢でも何でもない。そもそも社会に出た後で自慢になるようなものではない。

ただ、イメージしてほしいのだ。

この記事を読んでいる公務員試験を受けようと思っている君に。
長く辛い試験勉強が終わり、試験を受け、結果を待ち、そして合格証書が届く瞬間を。

この瞬間が、必ず来る。

強くイメージしてほしい。

私はクソみたいな席次で合格したが、一桁台の席次で合格してやろう。
いま、この記事を読んでいる君なら大丈夫だ。

絶対にやれる!

1種(総合職)の場合、合格後は3年間資格が有効である。

自分はそれを利用して、大学院に進学して、就職を後回しにした。
学部で受かっておけば、大学院では公務員試験を受けなくても官庁訪問に行くことができるからだ。

人事院のサイトをざっと確認したところ、今でも3年間は有効だと思うが、院卒の試験と学部卒の試験で何か違うという話もあるし、制度は自分で念入りに確認してほしい。

Q.採用候補者名簿の有効期間はどれくらいですか。
A.総合職試験、一般職試験(大卒程度試験)は、最終合格者発表日から3年間です。
一般職試験(高卒者試験、社会人試験(係員級))は、最終合格者発表日から1年間です。

ちなみに2019年に改めて調べ直したところ、総合職・一般職両方が3年間有効になったらしい。

SEMINET|公務員(国家一般職・地方上級)

① 採用候補者名簿の有効期間が一般職・大卒程度試験は名簿の作成の日から3年となりました(平成23年度までの国家Ⅱ種は1年間有効)。 したがって、原則、名簿登載後3年間、官庁訪問等の活動が可能になりました。
② 平成23年度までの教養試験より知能分野を重視した「基礎能力試験」が設けられました。教養試験の解答数および知識分野の出題数は減少するので、知能分野は出題数・比重ともに大幅に増加しました。
③ 行政区分の専門試験は、出題16科目および選択解答数に、平成23年度までと大きな違いはありません。

学部4年で試験に受かれば、仮に官庁訪問で落ちたとしてもまた大学院でチャレンジできるということだ。

さて、社会に出ると我々は「コンティンジェンシープラン」というものを考えるようになる。
コンティンジェンシープランとは、想定外の事態が起きた時のために、事前に定めておく対応策や行動手順のことである。

もし学部4年で試験に落ちたらどうしよう、と不安な人もいるかもしれない。
就職活動の時期を完全に勉強に全振りするのだ。不安にならないわけがない。

ここでは「絶対受かる。やればいい!」と強調して応援していきたいが、一方で落ちたときにどうするかを想定しておく用心深さも必要だ。

主な選択肢は3つある。

  • 留年して再チャレンジ
  • 留年して就活しつつ再チャレンジ
  • 大学院に進学しておく

個人的には東大の公共政策大学院を強くおすすめしたい。

たとえ文系で大学院に行ったとしても、就活で不利にはならない。

東京大学公共政策大学院

試験科目は公務員試験に似ているため、公務員試験の勉強がそのまま使えて一石二鳥だ。

TOEFLを受けなければいけないのが面倒だが、英語は教養試験で使うため、やっておいて損はない。

ちなみにTOEFLはスピーキングもあるため、一日30分のオンライン英会話は息抜きにやっておいてもいいだろう。

英語は一生使うことになるし、公務員になれば海外出張もある(ちなみに公費で海外留学しようとする人は多い)

「公務員試験」に集中するためには余計なものはやりたくない気もするが、「リスクヘッジ」に大学院を検討している場合は一日30分の英語学習が人生を救うだろう。

ちなみに自分は大学院後、最終的には民間企業に進むことにしたため、試験合格後の話は人に聞いたレベルでしかわからない。

官庁訪問では真夏の暑いときにたくさんの現役官僚たちと話したり、多くの他大学の学生と政策についてディベートするらしい。

かなり過酷な日程になるようだ。

よく学歴の問題が語られるが、現在では財務省以外はそんなに学歴にこだわってはいないようだ。

どちらかと言うと試験の席次の方が見られるらしい。
それに席次が悪くても、面接で一緒に働きたいと思ってもらえれば関係ないという話もある。

最近は官僚志望の東大生が減っているという。

その影響からか、競争率はさらに落ちてきた。これはチャンスとも言えるだろう。

国家は日本で最も大きな舞台だ。
大きな舞台で自分を試したい人にとって、ライバルが減っている現状は逆に美味しいと言えるだろう。

さらに余談が続くが、大学院生のときに経済産業省の人事担当の人から電話がかかってきた。

「非公式のリクルーター」のようだった。

なかなか綺麗な女性で、プライドが高そうだった。

経済産業省では議論が活発でいつも職員同士論を交わしている、と言っていた。

色々と話したのだが、美人すぎて顔ばかり見ていたので内容はあまり覚えていない。

経済産業省に美女がいると言いたいのではない。
試験に受かればこのような非公式なアプローチが届くと言いたいのだ。

合格後の様々なイベントも楽しみにしていてほしい。

令和の時代に浅はかな理由でキャリア官僚になるのはおすすめできない

あなたは本当に公務員になりたいのか、よく考えてみてほしい。僕が公務員試験を受けたのは、

「受かったら格好良さそうだった」
「周りにすごいと言われたかった」
「社会のこと知らんから、勉強して難しい試験に受かったら人生成功すると思った」

みたいな理由だった。当時はそんなこと考えてなかったけど、実際のモチベーションはそこにあった。

承認欲求と成功欲求である。公のために尽くしたいとか考えたことない。自分が一番大事だったからだ。

僕が学生の頃は「公務員すげえ」「キャリア官僚かっこいい」という空気があったのだ。

君はどうか?本当に公務員になりたいのか?

毎日毎日残業して、くだらない、非効率な業務で疲弊して、それでも国家のために頑張れるか?
僕なら頑張れない。君は頑張れるか?

大学の同級生はガンガン稼いで、ヘラヘラ遊んでる。

「官僚なんだ、すごいね」と言われる時代は終わった。
少なくとも東京では「薄給で激務な可哀想な人」扱いされる。とはいっても、一部上場企業の平均以上にはお金はもらえるのだが、官僚になれるくらいの能力であれば、もっと稼いでもいいはずだ。

自分の利益だけを考えても報われない可能性がある。

それでも国家のために、日本の未来のために働きたいか、よく考えてほしい。

公務員試験の勉強に費やす時間と同じだけの時間を使えば、もっと大きなリターンがある何かを得ることはできる。

相当辛い勉強を続けなければいけないし、続けても受かるかどうかわからない。あまりにも報われない試験でもある。

それでもいいか?

いいなら、勉強方法を教えよう。やっぱ厳しいな、自分が最も得できる道を選びたいなと思う人は、民間向けの就活に切り替えるのがいい。

年収が高い会社に入ろう。残業時間が少ない会社に入ろう。

それでいいんだ。人生に正解はない。この国を変えたい・支えたい人は官僚へ。自分が得したいなら民間で最も給料の良い会社を選ぼう。

民間就活サイト

試験突破までのスケジュール

まずは冒頭で紹介した『公務員試験受かる勉強法 落ちる勉強法』やこの記事を参考にして、

「いつまでに何を終わらせるか。そのためにはどれくらい時間が必要で、自分はどれくらいの勉強時間が確保できるのか」

の予定を立ててほしい。

自分はこんな感じで、ほぼ日記手帳を使ってスケジュールを書き込んでいた。
f:id:sho322:20130819215159j:image

いつまでに何を終わらせるかに加えて、日々の勉強の記録もしておくといい。
それはきっと、本番でお守りのように君を守ってくれる。
手帳に残した記録が自信になる。

ちなみに、国1に合格するまでの合計勉強時間が900~1000時間というのは、私が実際に手帳に書いた記録を元にしたものだ。

タイマーで勉強時間を計っていたので当てずっぽうで言っているわけではない。
自分は大学時代全く勉強することなく、ゼロからやって1000時間必要だった。

偏差値の高い大学に通っている人はもっと少ない時間で合格可能だろうし、大学受験の貯金がない人は1500時間程度を見込んでおいた方が安心だろう。

ダラダラやってる人は3000時間勉強しても受からない。
公務員試験は一日3時間を1000日やって合格するような試験ではない。

10時間を300日やって合格する試験だ。
人間は忘れる生き物なので、ダラダラやってもザルに水を入れたみたいにどんどん忘れていってしまうのだ。

一気にやろう。

合格しやすい人・合格できない人

合格しやすい人には共通した特徴がある。

  • 行動が速い
  • 根性がある
  • 誘惑を断ち切る意志力がある
  • やると決めたら一つのことに集中できる
  • 危機感がある
  • 自分は合格すると信じている

たとえばこの記事で必要な本を色々と紹介するが、読んだときの反応は2パターンに分かれる。
すぐに本屋(またはAmazonで)に行って本を買い込む人と、なんだかんだと言い訳しながら時間を浪費する人間だ。

合格するのは当然、前者である。

試験に受からない人というのは、とにかく行動が遅い。
行動が遅いということは、自分の時間の大切さがわかっていないということだ。
時間を無駄にしているのだ。

「やらない理由」を探して、すぐに行動できないから、成長しない。
行動力が遅い人は難関試験には受からない。

根性は当然必要で、一日10時間は集中して机に向かう必要がある。
落ちるやつは皆、根性がない。

ちょっと勉強したらすぐに友達とお喋りして、すぐにサボってしまう。
こういう人間は何をやっても結果が出ない。

人生の時間には限りがあり、ダラダラしている暇などないのだ。
若い時期ならなおさらだ。

最後に大事なのは、自信だ。

自信を持つためには自分を信じるに値するまで努力すること。
試験の前に「やれるだけのことはやった」と胸を張って言えるかどうかが肝心だ。

今だ。
今すぐやるんだ。
今すぐ問題集を買って、今日から自習室か図書館に通うんだ。

こんなことを書いても実際に行動できる人間は10%もいない。
みんなあまりにも「情報を集めること」に夢中になりすぎて、肝心の勉強のスタートが切れないんだ。

1年前だから大丈夫。
まだ時間があるから大丈夫。

なんて調子に乗って、限られた時間を無駄にする。

お前が無駄にしている一日は、試験前日と同じ、24時間だ。
無駄なことをしている暇はないんだ。

絶対に合格するんだ。
絶対に合格できるんだ。

やると決めよう。
やると決めたら突っ走ろう。

これから試験までの間、誰とも遊ばず、誘惑は断ち切り、自分の勉強だけに集中する。

試験が終わったら驚くほど開放的な気分になるから。
あれほど晴れ晴れした気分になることもないと思う。

本気で頑張れば、必ず報われる。
今すぐ挑戦を始めよう。

今すぐ模試を受けろ

さて、ここまで読んでくれた人はもう

「公務員試験を受けるんだ!」

「俺は、私は、絶対に公務員試験に合格する!できる!」

という気持ちになっていると思う。

2021年、河野大臣主導で公務員のホワイト化が進みつつあり、良い職場になるかもしれない。

そんな風に、受験を決意した人、既に決意していた人が次に取るべきアクションは明確だ。

模試を受けろ

今すぐ受けろ。

「準備ができてから受けよう」

「ちゃんと基礎を身につけてからじゃないと意味がないのでは…」

なんて言う人は試験には受からない。

私は登山をしたことがないから例えが不適切かもしれないが、山頂が見えずに山には登れないだろう。

君はどの山を登っているんだ?
これからどんな山を登るんだ?

そして、どんな試験を受けるために勉強するんだ?

昔の偉い人は「敵を知り己を知れば百戦殆うからず」と言った。

模試とは、まさに敵を知るための手段である。

今、できなくてもいい。

これから、何ができるようになればいいのか。

それを知るために模試を受けるのだ。

模試を受けておけば、どんなに解けなかったとしても、普段の勉強の効率が上がる。

普段の勉強から

「ああ、ここの問題を解けるようになれば、模試のあの問題も解けるようになるんだな」

と「本番とのつながり」が見えるようになる。

「合格」という目標に対して、自分がどこにいるかが明らかになる。

そして、何を身に付ければいいのかがわかるようになる。

だからこそ、模試は少なくとも1ヶ月に1度は受けなければならない。

模試を受けることで、現在地を知り、合格まで何をしなければいけないのか、自分に何が足りないのかを明らかにするのだ。

私が受けてきたおすすめの模試→2021年向け 国家総合職択一記述公開模試

教養試験突破のために絶対買ったほうがいい本

この記事で紹介する本は、国家公務員総合職だけではなく地方上級や国家公務員一般職などあらゆる公務員試験に有用な本である。

最低限必要とも言えるレベルの本を紹介する。

合格したいなら、書籍に関しては絶対に迷ってはいけない。
すぐに購入した方がいい。

それくらい「合格する人にとっては常識的な本」を紹介する。

私は気になる本は全部買って、自分に合わない本は迷わず捨てた。
家が裕福なわけではない。それまで貯めたお金は全部使ったし、足りない分は親に借りた。

合格すれば全部返せるのだ。
受験生にとってはお金よりも時間の方がずっと大事だ。

さて、教養試験対策は基本的に大学受験用のテキストを使おう。

なぜか?
解説が詳しいからだ。

大学受験業界ではものすごい数の本が出版されている。

公務員試験に比べて競争が熾烈なのだ。

その結果、素晴らしい本だけが生き残る。
わかりづらくて使えない本だと全く売れないからだ。

だからこそ、大学受験界で評判の良い本は素晴らしいものが多い。

これを使わない手はない。
恥ずかしがらず、基礎固めに利用しよう。

教養試験対策の手順は、

大学受験用のテキストで基礎を固め→過去問をやって解答力を鍛える

となる。

順番というか、交互に補完していくイメージだ。

ただし、大学受験レベルの基礎知識がない人はもうワンステップ必要だ。

具体的にはセンター試験で8割取れなかった人は、「スタディサプリ」で基礎を固めた方がいい。
スタディサプリは予備校以上の質の高い授業が受け放題になるサービスだ。

「ドラゴン桜2」でも激オシされている、現代の革命的な勉強法だと思う。
予備校に通うよりも圧倒的に低価格なので、どうしても教養が苦手な人は苦手部分だけでも利用するといい。

↓↓スタディサプリをダウンロードする↓↓

センター試験で8割以上取れている人は独学で問題なし。

教養科目の「教科書」として使うのは「センター試験の点数が面白いほどとれる本」シリーズ。

生物、倫理、地理、政治経済、現代社会など、暗記系のサブ科目的なものに特に効果がある。
生物と地学は特に神本で、「理解させること」を重視して説明してくれるので、記憶の定着効果が全然違った。

当たり前のことなのだが、「理解させること」を軽視している本が多すぎる。
頭の良い人はわからない人の気持ちがわからないのかもしれない。
そういう本を買ってはいけない。

記憶の定着が早いということは、時間が節約できるということだ。
こういう効率の積み重ねが短時間での合格を掴む。

地理と日本史は全体像を掴むために、東進ハイスクールのテキストも使った。

「なぜ、それが起こったか?」
「どうして、その地域ではこういう気候になるのか?」

を丁寧に噛み砕いて説明してくれる。

筋道立てて記憶したものは忘れないし、本番でも思い出すことができる。
我々は急いで勉強しなければいけないが、丸暗記してはいけない。

丸暗記すると、覚えた端から記憶が抜けていくからだ。
理解して筋道立てて覚えよう。

世界史は最近売れている『一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書』が大変わかりやすい。

流れを掴むという意味で、革命的な本だと思う。

この辺の出費を惜しむと無駄な時間を使ってしまうことになる。
受験生にとって時間は何よりも大切な資源だ。

お金は合格してからいくらでも稼げるし、社会人になれば書籍代は1ヶ月の給料で払っても余りが出る。

いまはできる限りわかりやすい本を買って、時間を金で買うべきだと僕は思う。

受かってからゆっくりバイトでもすればいい。

もちろん、どんなに素晴らしい本でも復習は必ず4回以上しなければいけない。

復習なしで何かを記憶できる人間はいない。

復習こそが試験勉強の肝だということは、絶対に忘れないでほしい。

ちなみに数学や国語(文章理解)はやり込んでも費用対効果が高くないので、スー過去をやる程度に留めた方がいい。

スー過去シリーズは解説が素晴らしい。
スー過去の全ての問題に、すべての教養科目でスラスラ答えられるレベルに達することが一つの目標である。

スーパー過去問ゼミは公務員試験のバイブルで、これだけやって国1の一次試験を突破した後輩もいる。

とにかく、スー過去。まずはスー過去だ。

何度でも強調するが、スー過去を頭に叩き込むことが合格の最低条件であり、かつ十分条件にもなりうるのだ。

『公務員試験 新スーパー過去問ゼミ5 民法1一総則・物権・担保物権』のレビューでは以下のように書かれている。
完全に同意である。

一つでも多くのスー過去潰した人が勝ちます

公務員試験対策の王道であり、これだけやれば必要十分な本です。
ただし、教養は畑中潰してからが良く、人文等はダイレクトナビが優れているので、あまり使わないのが吉です。

さて、この本の優れたところは、問題のチョイスが絶妙で、公務員試験の範囲を広くカバーできます。また、応用問題と基本問題の比率もよいというのもプラスの評価になります。
重要ポイントや解説のまとめも、コンパクトかつ十分な情報量で申し分ないです。

記事の上部でも書いたが、これらの本は2021年時点では Kindle Unlimited で無料で読めるようになっている。

学習教材のサブスクリプションサービスである。コストを下げるためにものすごく有用なライフハックでもあるので、ぜひ Kindle Unlimited を活用してほしい。

判断推理・数的推理

みんなが苦手な判断推理などについては、「畑中」シリーズをやっておこう。

定番中の定番だが、畑中だけ繰り返しやっておけばいい。それ以上追いかけるのは費用対効果が悪すぎる。

僕も判断推理、数敵推理はスー過去までやらず、畑中シリーズをひたすら繰り返して試験を迎えた。
2019年だと「ザ・ベストプラス」と「大革命」をセットで、全て問題を見た瞬間にパターンが浮かぶまで繰り返す。

公務員試験は就活対策にも役に立つ

民間の就職活動ではSPIと呼ばれる試験を受けることになる。

判断推理や数的推理を簡単にしたものだ。

畑中シリーズは就活のSPI対策にもものすごく有効だ。
畑中レベルができれば、就活のSPIなど赤子の手をひねるくらいの気持ちでクリアすることができる。

公務員試験を真面目に勉強した人は、民間の就職活動でも報われるのだ。
安心してほしい。

この辺までが国家公務員1種(総合職)の基礎ライン、2種(今では一般職というのか?)・地方上級では合格ラインとなる。
国家公務員1種レベルの問題に対応するためには、上記に加えて「国家総合職教養試験 過去問500」もやっておく。

この問題集もやっておくことで、1種レベルの問題に慣れることができる。
最後に足りない分を模試を受けまくって補完すれば国1も合格ラインに到達できる。

専門試験の攻略法

長くなったので、続きは別記事に書いた。

官僚たちの夏

ここからは余談だ。

官僚の道を歩む友人と久しぶりに会った。

大人にありがちだが、とりあえず給料の話をした。

社会人2年目で月々の額面給料は35万程度と言っていた。

残業は噂通り、相当多いらしい。
終電帰りというか、終電を過ぎて帰ることも多々あるようだ。

「働き方改革」が叫ばれる前の話だから、今はどうなっているかはわからない。
知り合いがいたら聞いてみるといい。

残業は厳しい。
プレッシャーも厳しい。

しかしながら、社会人の2年目で国際的な会議に出席したりもしていると言っていた。
仕事の規模もものすごく大きくて、正直言うと羨ましかった。

「国を動かしているカッコいい社会人像」そのものだったからだ。

官僚の給料の話は下記を参考にしてほしい。

官僚の給与体系を教えてください!「●年目で●●万円、▲年目で係長に昇進して▲▲万円」など、キャリアアップの仕方も知りたいです!

自分がすごくお世話になった厚生労働省の方(東大卒・40歳)が言っていた。

「自分は給料では東大の同期には全然かなわない。周りのやつがいい車に乗ってて羨ましくなることもあるさ。
でも俺は生まれ変わっても、もう一回この省庁で、国民のために働きたい。政策を考えたい」

と言ってた。

世間一般で言われているような官僚の悪いイメージとは全く異なっていた。

まっすぐな目で、嘘偽りない本音で、国の未来を語っていた。

そして、「自分は政策のプロなんだ」と、誇りを持って仕事をしていた。

本当に立派な人だと思う。

官僚は大変な仕事だ。同じ努力でもっとお金をもらえる仕事もあるだろう。

でもやっぱりスケールも影響力も大きくて、やりがいがある仕事のようだ。

自分は官僚の道に進むことはなかったけれど、この記事を読んでくれた人は頑張って欲しい。
道は違えど、一緒にこの国をもっと良くしていこう。

ちなみに以下は、某省庁の人と盛り上がった本。

¥781 (2024/04/28 09:55:12時点 Amazon調べ-詳細)

やっぱり、こういう本を読むと胸が熱くなるみたいだ。
国家公務員になりたい人は一度は読んでおくべきだと思う。



お金があるかないかで人生の楽しさは全く変わってきます。

お金があっても幸せになれるとは限りませんが、お金がない人生は不幸です。

お金がなかった私が、転職して年収1000万を超えるまでにお世話になったブログを紹介します。

エンジニア転職のリアル

今の時代は、お金を稼げるかどうかは能力の有無よりも触れた情報の質によるものが大きいです。
ぜひ皆さんも良質な情報に触れて、お金持ちになって人生を充実させてください。

2 Comments

Beatriiiiix

私は、今芸大生です。でもとあることがきっかけで国家公務員一種を目指そうとしています。周りからは無謀だ、きっと芸術で食べていけるって、などと言われていますが決心は固いです。お金もないので絶対に独学で合格してやろうと思っていました。そんな時に、このブログを拝見しました。正直目からウロコです。私のやり方は間違っていました。このブログを参考に、記事に書かれていることを忠実に守って私も合格を勝ち取りたいと強く思いました。
そこで、図々しいお願いなのですが、ここに紹介されているものも含めて役に立つ参考書一覧のリストを是非作って頂けないかなと…。浅井さんがオススメするものは全て参考にしたいのです。リストを作って頂けたら、それを全て買いに行って必死にかじりつきたいと思ってます。一読者のコメントなので、面倒でしたり私を不快に感じられたらどうぞ無視してください。
最後に、間違った勉強を続けていたことに気付かせてくれて有難うございます。

rzugtzu7

初めまして
私はいま大学一年生で将来地方上級の警察官になりたいと思っています。たまたま国家公務員の事について調べていたらこの記事を見つけて、絶対無理だろうと思っていた国家公務員1種はもしかしたら無理なんかじゃないという想いが出て来ました。それで今大学一年生の私が残りの3年間で努力をすれば国家公務員1種に受かる事が出来るでしょうか。そして夢のキャリア組はなれるでしょうか!私は母子家庭でバイトもしなければならないのでどのくらいの時間勉強すればいいのか教えてくださると今後の人生の計画、目標になります!

現在コメントは受け付けておりません。