SIer時代のプロジェクトの進め方は、いま振り返ると異常なものでした。
下のツイートがSIerのプロジェクトの進め方を端的に表していると思います。
毎日朝会をやるスタイル、仕事できない人は進捗ゼロが多くて全員から「は?」みたいな雰囲気出されるから余程メンタル強くないと自分から辞めるって言い出すんで安易に従業員をクビにしづらい日本の法制度と非常にマッチしていると思う
— やまえもん (@yamaemon_jp) June 8, 2021
この人のことは全く知りませんが、SIerではこういう陰湿な人がとても多かった印象があります。
同じチームの人が困っていても「自分の担当」でなければ助けない。「自分以外の人間は無能」と謎に自信満々で、他人を見下し、進捗が遅れたら「詰める」
無能のいる朝会
— やまえもん (@yamaemon_jp) June 8, 2021
俺「昨日は〇〇をやって完了したので〇〇さんにレビューをお願いしました。今日は〇〇をやります。」
上司「了解ですー、次お願いします」
無能「まだ〇〇やってます。以上です。」
上司「… ハア」
(一瞬めっちゃ険悪な雰囲気になる)
上司「次お願いします」
人の悪口ばかり言ってる上のツイート主のような人間は、まともな人であれば「仕事で関わりたくない」と感じるでしょう。
でにSIerに入ると、こんな価値観の人ばかりです。チームのことは他人事。自分が良ければそれでいい。そういう雰囲気の職場です。だからツイ主のような価値観の方が異常なのではなく、SIerの中ではそれが「通常」なのです。
そんな職場で働いていると、進捗を出せなければ地獄ですし、進捗を出せても毎日必ず嫌な気分になります。
常に周りで誰かが叱責されたり、詰められたりしているからです。
自分が優位に立っていると思い込んでいる人も、明日は我が身です。だからこそ、片時たりとも油断ができず、常に理論武装した「言い訳」を考えることに膨大な時間を費やします。
「なぜ進捗が遅れているのか?いつ挽回できるのか?どうすればいいのか?」を毎週の報告会のたびに熟考し、チームメンバーと議論します。
だから「論理的に言い訳できる人」が評価される傾向があります。不毛です。
そして何より面白かったのが、報告を受ける側が「で、どうするの?」と聞くと、ほとんど全ての人の答えが
「残業でカバーします」
だったことです。それ、報告したり相談したりする意味ある?
そもそもプロジェクトの初期段階で全てを完璧に計画することなんて不可能なのに、無理やり作ったスケジュールに全てを合わせようとするから「残業でカバーします。毎日カバーします」みたいなむちゃくちゃな状況に陥るわけです。
私は長年SIerにいましたが、計画通りに進んだウォーターフォールプロジェクトは全体の10%以下だったように思います。ほとんどのプロジェクトの進捗は遅れて、残業でカバーしています。
HRT の原則など存在しない
HRTとは、Humility(謙虚)、Respect(尊敬)、信頼(Trust)を取った略語です。理想のエンジニアチームを作るには、謙虚になり、お互いを尊敬し、信頼し合う文化が大切だという話です。
SIerにHRTはありません。
自分が一番賢いと思っている人ばかりです。謙虚さなど持ち合わせておらず、常に高圧的に他人を「詰める」のが仕事です。
大した能力もないのに自信満々で、自分の仕事のやり方が正しいと思いこんでいるので、全く成長しません。外部の知見が入ってきません。
他人への Respect などなく、「オフショア(中国人)は品質が悪い」みたいなことを平気で言います。
他社への Respect を持ち、他人の意見を尊重するのではなく、会社内での階層が全てです。
偉い人が「OK」と言うかどうかで物事が決まるので、若手の意見はプロジェクトにほとんど反映されません。 Respect がないからです。
「信頼」もありません。パートナー企業は基本的に疑ってかかるように教育され、「人間の目で厳しく監視し、鞭で叩く」のがマネジメントだと思いこんでいる節があります。
その割にプロジェクトはうまく進みません。
結局、SIerの仕事は見当外れの価値観を元にストレスを溜めている割に、プロジェクトは全然うまくいかない。
誰もが残業して疲弊し、毎日会議で議論しあって、イライラしている割に誰も幸せにならない、という構造になっています。
SIer に心理的安全性などない
心理的安全性とは、職場で誰に何を言っても、どのような指摘をしても、拒絶されることがなく、罰せられる心配もない状態のことをいいます。
私が見てきたSIerには心理的安全性なんてものはありませんでした。
偉い人が認めるか認めないか、ただそれだけで、若手には発言の権利はあっても、意思決定権はありません。
結局、プロジェクトマネージャーが認めるような作業ができるかどうかが全てです。
何をするにも組織のヒエラルキーを意識しなければならず、何をするにも立場が上の人の承認が必要でした。階層をのぼっていくようなレビューをして、そのレビューではひたすらにネチネチと指摘する。
ウェブ系企業の人たちが GitHub 上でやっているコードレビューとは全く異なります。
Excel の資料をひたすらにレビューして、細々と本質的にどうでもいい指摘を繰り返す日々。
まともな情報もない中で、ファイルサーバーに散らばる Excel ファイルをかき集め、情報のパズルをしていくのが SIer の仕事でした。
最も SIer らしいチームでは、半年いてソースコードすら手に入りませんでした。どこにソースコードがあるのかわからず、ソースコードのチェックアウト?にも謎のルールがあったからです。
また、手元に置いたとしても COBOL なので読み方がわからないのですが。
レビューはすべて、Excel 上でやってました。 Confluence はあったのですが、議事録にしか使われていませんでした。あれは一体何だったんだろう…と今でも不思議に思います。
Confluence があるのになぜ、訳のわからないファイルサーバーに大量の Excel を作っていっていたんだろうと。
まともな会社であれば、 Confluence 上に Google スプレッドシートや Excel を埋め込んだりして、いちいちファイルサーバーなんて探さずに情報共有ができます。
SIer の業務は本当にどうしようもないほど非効率で、さらに最悪なのが、中にいる人がその非効率に全く気づいていないことです。外の情報がないからです。
そういうわけで、メンバーシップ型の悪癖の中で内輪の論理に終止して、専門性は身につかず、人と人とが争い合う。
誰も脱出しないからパワハラが平気で横行し、「詰める人」が評価されるようになる。
そんな地獄が SIer の現実です。こういう世界からは早く離れた方が絶対に幸せになります。
テックはジョブ型なんだよな。証券や投資もそう。
— ボヘカラ (@BOHE_BABE) June 12, 2021
就職偏差値?と年収は比較的相関するが、その中にジョブ型の世界と、日系大企業主体のメンバーシップ型の世界があり、アラサー位から2つの世界の間を行き来しにくくなる。
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