「年功序列が崩壊した」といわれて久しいが、日本の大企業ではなぜか年功序列が根強く残っている。
具体的には、社員数が5000人以上で、新卒で入社して中途入社の割合が少ない会社は未だにメンバーシップ採用を続けており、
「年齢が高い」
というだけで自動的に偉い人のように扱われていく。
2010年代に入り、大企業も終身雇用の廃止を明言し始めており、2018年には経団連会長が
「終身雇用を守ることはもはや不可能だ」
と述べた。
終身雇用が守られないとはすなわち、会社におんぶに抱っこでキャリアを作ってもらうことはできなくなるということであり、自分で考えて、自分でキャリアを作っていくしかないということである。
しかしながら、会社にべったりで、新卒で入社した会社の尺度でしかキャリアを考えてこなかった大企業の中年は、何の能力もないくせに「年上」というだけで偉いと勘違いしている残念な人が多い。
若手は尊敬もできない年を取っただけの人に「つまらない仕事論」を聞かされ、お酒を注ぎ回り、会計や店員の呼び出しをいち早く行うことを強制される。
私が新人だった頃、会社の飲み会はキャバクラだと感じた。
おっさんの話をふんふんと聞き、酒を注ぎ、会計を済ませ、綺麗にExcelで精算金額をまとめて後でお金を回収して回る。
プラベートの貴重な時間をくだらない残業自慢を聞くのに消耗させられ、挙句の果てに多少のお金を支払わされて、会社の飲み会ほど無駄な時間はないと確信を持つに至った。
伝統的日本企業のおじさんが語る仕事論はつまらない
JTC(Japanese Traditional Company)の中年が語る仕事論が面白かった試しがない。
彼らが語る仕事の話はほぼ全てが以下に集約される。
<
- 残業をたくさんした話
- 役員のなんとかさん(偉い人)をよく知ってる系の話
- 俺の若い頃はなんとかだったからお前はこうすれ系の話
未来の話だったり、現在のテクノロジーの話をする人は一人もいなかった。
会社の外でどんなサービスが生まれて、世の中がどのように変化していて、そのために会社で何ができるのか…などを語る人には一人たりとて出会ったことがなかった。
とにかく話が退屈で、苦痛で、早くこの飲み会が終わらないかな、とずっと思っていた。
退屈で尊敬できない連中と仕事をするのは身体に毒である。
最大の福利厚生は尊敬できる同僚や上司なのであって、家賃補助だったり研修制度なんて自分にとって大した役には立たない。
伝統的日本企業の伝統的退屈中年が幅を利かせる企業からは、なるべく早く脱出した方がいい。
丸々と肉付いたその顔面にバツ
東京で電車に乗るとすぐに気付くが、会社員はデブでブサイクが多い。
それは仕方ないのだが、だらしない肉付きをしたおっさんを見て尊敬なんてできるだろうか?
ブサイクはある程度までは仕方ないが、そのたるんだ贅肉はなんだ。
何考えて食ってんだ?
などと見た目に文句を言っても仕方がないが、「うっせぇわ」の人が丸々と肉付いた顔面にバツをつけたくなる気持ちはわかる。
そして丸々と肉付いたおっさんが大量に存在するのもまた事実である。
おっさんはジムに通い、炭水化物を制限し、せめて見た目だけでもシュッとした方がいい。
大企業社員が会社嫌いになる理由
日本の大企業は「家族経営」などと呼ばれ、仲良く家族のように会社を運営しているように表現されていた時代があった。
いかにも仲睦まじい様子を想像してしまうが、中原淳さんの著作によると日本の会社員の「会社が嫌い率」は諸外国に比べてはるかに高いらしい。
一度会社に入ると理不尽な人事に従わなければならず、転職もできないため嫌な人間関係からは逃れられない。
転職が当たり前で、嫌になったら会社で身に付けた専門性を活かして別の会社で働くことができるなら、いちいち会社を憎まない。
嫌なら転職すればいいからだ。
転職もできない。でも会社は変わらない。
会社の嫌なやつはいなくならない。
永遠に続くかのような苦しみが続くように見えるから、日系大企業サラリーマンは会社を憎む。自業自得なのに。
そして「定年」が来てやっと「地獄」から開放されて、優雅な定年生活を夢見るのが「日本サラリーマン」の姿であった。
しかし今後は定年も伸び、年金の支給も絞られ、死ぬまで何かしら働かなければならないようになるだろう。
会社も会社で、役に立たないジジイに高給を払い続ける義理はないので、定年後は年収の大幅ダウンは避けられない。
会社に振り回され、裏切られ、最後まで会社におんぶに抱っこで人生が決まってしまうのが多くの日系大企業社員の運命なのだ。
かわいそうだけど、自分で選んだ道だから仕方ないよね。
典型的な日系大企業で働き続けても、他社で活かせる専門性は身に付かない。
メンバーシップ型からジョブ型に採用が移行していく中で、「管理しかできない管理職」ができる仕事は減っていく。
もちろん、大企業の「ジェネラリスト」が必要とされる機会も減っていく。
会社以外で使えない知識ばかりが蓄積されていく。
人口が減り、経済が右肩下がりとなっていく日本では、終身雇用は維持できない。
年功序列も維持できない。
ドメスティックな日本企業で、英語もできないままだと、日本経済と共に沈んでいくしかない。
こんなの誰でも想像できる未来なのに、それでも大企業にしがみついて離れようとしないんだったら、海に沈んでも文句は言えない。
タイタニック号のようにボートが足りないならまだしも、ボートは無数にあって、乗る人も少ないのに、いざ沈んでから「助けてくれー」って叫んでも、自業自得としか言いようがないのよ。
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