「SIerでは技術力がつかない」という噂は本当なのか?社員がリアルを語る

インターネット上のブログ記事では

「SIerでは技術力が身に付かない」

とよく言われているが、それは本当だろうか?

意識の高いSI社員であれば、

「そんなことはない。どんな環境だって自分次第で技術は身に付けられる」

と言うだろうが、ごく普通のSIer社員に技術力は身に付かない。

構造上、身に付けられないようになっているからだ。

SIerではなぜ技術力が身に付かないのか

我々は組織で求められるスキルを身に付けていく。

営業力が求められる職場では、必死になって営業を身に付けようとする。

プログラミングが主な業務の職場なら、プログラミング技術を必死に学ぶだろう。

SIerで求められる能力はどんな能力だろうか?

  • 調整能力
  • 理解力
  • 論理的に伝える能力
  • 資料にまとめる能力
  • 根性
  • 根回し力
  • 段取り力
  • タスクを適切に振り分ける能力
  • プロジェクトの状況を忘れない管理力

SIerの現場で要求されるのはいわゆるヒューマンスキルだ。

たくさんの人と協力して、軋轢なく一つのシステムを作り上げるためには人間力が問われる。

メンバーの感情に配慮して、チームを作り、プロジェクトの進捗を管理するのが仕事だ。

手を動かすのは「協力会社」と呼ばれるパートナー企業の仕事であって、SIer社員の仕事ではない。

SIerの仕事は「プログラミングができる人」を探して、お金を払い、仕事を振り、作ってもらうこと。

クラウド上にアプリケーションを配置するのであれば、クラウドに詳しい部署の人に頼んで、日程を調整し、会議して、プロダクトをデプロイ“してもらう”のが仕事だ。

自分ではやらない。

それゆえに、技術力は身に付かない。

表面をなぞった上辺の知識は増えるが、基本的には「報告を聞くだけ」なので、自分で何かができるようにはならない。

SIerでは技術は必要とされないのか

SIerの中で働いていく限り、技術力は必要とされない。

技術的な勉強をしていると感心されるか驚かれるか、呆れられるかのどれかだ。

SI会社の中の人たちは、「プログラミングは我々の仕事ではない」と思っている。

なので、SIerの中でプログラミングなんてしていたら、間違いなく「暇な人」と思われる。
これが想像以上に屈辱的なのだ。

メールをボーッと見ている人よりも、社内システムで何かを承認しているだけの人よりも、一日中会議している人よりも、プログラミングしているのは暇人だ。

そういう文化なのである。

そんな文化の会社の中では、技術力を身に付けるのはとても難しい。

人間、環境に求められていない知識をコソコソと学び続けるのは辛いからだ。

SIerではプログラミングはいつまでやるのか?

SIerでも「基礎中の基礎」は知っておいた方がいい、ということで、新人時代から長くて2、3年目までは「コーディング」をさせることがある。

といっても1年程度で身につくプログラミング能力はたかが知れたもので、まともにコードを書けるプログラマーにはならない。

また「1年で◯行プログラムを書く」などの目標が定められている場合もあり、そのときは「良いコードを書く」よりも「とにかく部署で求められた目標を達成すること」が求められる。

目標が「技術力を身に付けること」ではなく、「ちゃんとやったと報告すること」になっているのだ。

ちなみに「報告が目的になる現象」は至るところで見られる。

委員会活動や障害の報告会議など、「上の人に報告して怒られないこと」が目的となってしまっている会議が散見される。

これはサラリーマンあるあるである。

SIerの仕事はなぜつまらないのか?中の人が真剣に考えてみた

自学自習で技術力は身につくのか

「仕事で技術力が身に付かないなら家でやればいいじゃない」という人もいるだろう。
その意見は正しいのだが、SIer社員の業務時間は長い。

10時から20時まで働いて、帰宅してご飯を食べて風呂に入ったら22時。

そこから技術の勉強はできても1時間か2時間だろう。
翌朝もちゃんと起きないといけない。

家族がいる人は土日にも時間がない。
家事やデートしていたら独身だって時間がない。

だから平日の業務時間中に技術力が全く身に付かない環境は非常に不利なのだ。
技術力を身につけるチャンスはゼロではないが、まとまった時間を投入できないハンデを常に負う羽目になる。

技術力を身に着けたとしても会社で使う機会はないし、どちらかというと変な人扱いされてしまう。

だから、技術に興味がある若手の社員はどんどん転職してしまう。

「IT業界に就職したのに技術力が全く必要とされない環境」にショックを受けてしまうからだ。

さらにいうと、40代以上の年配社員の技術音痴もひどいものがある。
エクセルとワード、パワーポイントをひたすらいじり続けて20年も経つと、どんなに偏差値の高い大学を出ていても技術者としては使い物にならない。

当たり前だ。

とはいえ、技術者として活躍したい人はSIerにはいないので、中の人がアホというわけではなく、求められるスキルを求められる場所で発揮しているだけともいえる。

SIerの中にいる人で、「技術で世界を変えたい!」「プログラミングがしたい」と考えている人は、早めに転職したほうがいい。

転職は年を取れば取るほどしづらくなる。
しがらみも増えてくる。

周りの経験者と比べられて、評価がもらいにくくなる。

早めに転職エージェントに登録しておいて、良い条件があるならすぐに転職するくらいのつもりで働いていた方が、精神的なモヤモヤは減ると思う。

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