コロナショックはシステム会社(SIer)にどんな影響があるか

新型コロナのパンデミックが実体経済に大きな影響を及ぼしている。
内定取り消しが相次ぎ、非正規社員や派遣社員の雇い止めも起こっているようだ。

また企業の破産申請もチラホラと見え始めており、出口の見えない封じ込め政策を続ける中で今後も多くの企業が倒産するだろう。

さて、コロナショックはシステムエンジニアにどんな影響があるだろうか?
SIerにどんな影響があるだろうか?

この記事で考えていきたい。

顧客の業績ダウンによる売上の減少

今回のコロナショックは実体経済が急速に収縮している点に特徴がある。
消費が抑えられ、小売、旅行、航空会社へのダメージは深刻だ。

素人目には「ITは大丈夫だろ」と見えそうだが、とんでもない。

我々SIerは顧客と運命共同体だ。

顧客の業績が悪化すれば、まず「新規のIT投資」は削られる。

「これから3年先の未来に向けて新しいITシステムを作っていこう」

なんて明るい投資は急激に少なくなり、「現状を維持すること」に精一杯になる。

保守運用が急に切られることはないが、新規投資はコストカットの対象になるだろう。
広告費の抑制によって、ウェブ系のIT企業も影響を受けるはずだ。

システム費用に対し、強力な値下げ圧力がかかる

企業にとってITシステムの維持コストは高い。
理由はSIerが大金を払ってもらっているからなのもあるが、不況で余裕がなくなってくると、顧客はなんとしてもITシステムのコストを下げようとしてくるだろう。

「もっと値下げしてくれ」
「こんなに高いんだったら別のシステムを使いたい」

という要望が出てきてもおかしくない。

低価格のパッケージソフトがメインサービスとしている事業には多少の追い風が吹くかもしれない。
既存企業のサービスが高い場合は、安いサービスに切り替えるインセンティブが強くなるからだ。

「高いけど高品質なソフトウェア」がこれまでのウリだったかもしれないが、今後は「安くて良いものを早く作ってくれ」と言われるだろう。

どの業界も厳しいが、システム会社も例外ではない。

研修費用の削減とデータサイエンスブームの終焉

社員に投資しまくっていた研修の費用は削られていくだろう。
そんな余裕はなくなるからだ。

そして近年はSI企業でもデータサイエンスがブームになっていた。
色んな会社がデータサイエンティストを育てるべく投資していた。

しかし、そんな風に長期に見て人に投資できたのは、ある程度余裕があったからだ。
今後は即戦力しか使う余裕がなくなるので、「会社でゆっくり研修を受けさせて成長してもらう」みたいな悠長なことはできなくなってくるだろう。

会社の制度で留学したい人などは早めに行ったほうがいい。

SIer自体の業績悪化による解雇

まずは新卒採用を絞り、業績悪化に歯止めがかからない場合は評価の低い高齢社員に涙を飲んでもらう形になるだろう。
日本企業の場合は本人の能力に関わらず、年齢が高い社員のほうが給料が高い。
現場で活躍している若手よりも高齢社員を先に切った方が会社としては合理的だ。

正社員の解雇は難しいが、会社が傾いているときは容赦なく解雇の嵐が吹き荒れる。
現在ボーナスの査定が低く、会社で評価されていないように感じる人は気を付けたほうがいい。

誰をリストラするかは評価面談、つまりボーナスの査定が低い人、そして出世が遅れている人から決まっていく。

未曾有の不景気の中では誰だってどうなるかはわからない。
会社の危機に備えるなら、普段から勉強しておくなり、転職エージェントに相談するなりしておいた方がいいだろう。

自分が危機のど真ん中にいるときに準備などできやしない。
障害が起きたときは誰だって焦るし、多少はパニックになるはずだ。

システムエンジニアはいつだって、いつか起こる障害のために準備して、対応の訓練をして、テストをしている。

自分の人生もそれと同じだ。
誰だって障害には遭遇したくない。

それでもいつか起こりうる障害を予想して、準備しておくのが大事なのだ。
予め準備しておかなければ本番で問題には対応できない。

準備には英会話などのスキル習得もいいと思うが、時間がかかる。

即効性が高いのが転職エージェントにアドバイスをもらって、転職の際に「自分に何が必要か」を明らかにすることだと思う。
何より、普段から転職市場に触れていれば、「業務でどんな経験を積めば転職市場で評価されやすいか」がわかる。

大学受験で過去問をやるようなものだ。
過去問がなければどんな問題が出るかもわからない。

転職市場に全く出ずに市場価値を測ろうとするのは、過去問を解かずに試験を受けるようなもの。
そんなの受かるはずがない。過去問は早めに解いておいた方がいい。

転職エージェントもそれと同じで、普段から使っておくのがいい。