日経新聞のIT系の記事は適当なので読み流していい

日本経済新聞の購読は社会人の嗜みとも言われ、特に働き始めの頃は

「日経は毎日欠かさず読め」

と口を酸っぱくして言われたものだ。

日経新聞にはある種の権威性がある。
「日経に書かれているのだから正しいはずだ」と思ってしまうのは、僕だけではないはずだ。

「日経の飛ばし記事」は有名だが、それも一部のことで、その他の記事はよく取材して書かれたものだと無意識のうちに考えてしまう。

2019年11月13日の4面で、「デジタル新法 GAFA聴取」という記事があった。
巨大IT企業による史上独占の規制策を検討するため、米IT大手から意見を聴取したそうだ。

「デジタル・プラットフォーマー取引透明化法案」では、プラットフォーマーが優越的な地位を使って中小の業者に過度な手数料や一方的な契約変更を迫るのを防ぐのが目的だという。

僕はAmazon Seller Centralで時々本を売っているのだが、手数料が高くなってもAmazonに文句は言えない。
プラットフォーマーの独占が強すぎると、利用者側はプラットフォーマーに頼らざるを得ないため、価格交渉の余地がなくなってしまうのだ。

さて、日経の記事である。

規制の具体策では懸念の声があがった。
例えば、顧客に合わせたおすすめ商品の表示や需要予測といった独自のサービスを生み出す源泉となるアルゴリズムなど、企業の競争力に関わる機微な情報まで開示するかだ。

「機微な情報」というよりは「機密情報」といった方が正しそうに見える。
「独自のサービスを生み出す源泉となるアルゴリズムなど」という表現にも違和感がある。

たしかに「おすすめ商品の表示」には顧客の購買データや閲覧データを機械学習にかけて、その属性の人が好む商品を表示しているはずだが、「サービスを生み出す源泉となる」というと不自然だ。

アルゴリズムがあればサービスが泉のように湧き上がってくるわけではない。
実現したいサービスがあって、それを実現するためにアルゴリズムを組むのだ。

Googleでは評価エンジンがベースとなって様々なサービスを展開しているのだろうが、検索アルゴリズムを公開することは100%ありえない。

GAFAが運営する通販サイトに出品する中小企業の間では、たとえ自社に不利でもGAFAの条件を飲んだ業者の商品が優先的に消費者に示されているとの不信感がくすぶる。

記者はGAFAとAmazonの区別がつかないのだろうか。
GAFAの中のAmazonはECサイトを運営しているが、GAFAは通販サイトを運営していない。
適当すぎないか?

全体的に文章がわかりづらく、この記事を担当した人の問題な気もしないわけではない。
ただ、新聞記者は基本的に文系卒で、IT系の知識はほぼないようにも見える。
年配の方ならなおさらだろう。アルゴリズムとかWebサービスとかプラットフォームとか、なんとなく知っている用語を上滑りで書いているような気がしてならない。

というか、実際にプログラムを書いたり動かしたりしてみないと、「Webサービスを提供する」とはどういうことなのか、実感を持って記事にはできないだろう。

IT系の記事に違和感を覚えたのは自分がITを多少かじったからであり、政治面などで違和感を感じることはほとんどない。
それは僕自身に政治の知識がないからであって、専門の方が見たら意味不明なことを書いているのかもしれない。

ここで教訓とすべきなのは、日経新聞だからといって正確で詳細な内容が書かれているわけではないので、疑って読むべきだということだ。

事実を拾うつもりで読めばよく、勉強する気で読んではいけない。

書籍も同じで、編集者が校閲しているからといって内容が素晴らしいわけではない。
新聞記事も書籍も、想像以上に適当なものが出版されているのがよくわかる。

ウェブも同じだ。
このブログも含めて、適当な記事はわりかし多く、何が信用できるかは自分で判断しなければならない。

文章から書き手の能力を判断し、内容の辻褄が合わない部分を見つけ、信頼度を判別する能力が必要とされている。

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