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話題のhagex本「ネット釣り師が人々をとりこにする手口はこんなに凄い」を読んだ感想

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話題のhagex本こと、「2ch、発言小町、はてな、ヤフトピ ネット釣り師が人々をとりこにする手口はこんなに凄い」を読みました。

この本ははてな村のアイドルハゲ子さんこと、id:hagexさんの処女作で、ネット上に跋扈する釣り師たちの手口とその見抜き方を詳細に解説した本です。

「釣り師の解説」という極めてニッチなテーマについて書かれた、他に類のない、というか誰も書けないタイプの本なのですが、内容は極めて丁寧かつ論理的にまとめられています。

釣り師の行動パターンや判断技術、対立を煽るキーワード、釣り師の分類など多くのテーマについて、コンサル(笑)っぽくいうとMECE(ヌケなくモレなく)にまとめられていて、俗っぽいテーマとは裏腹に相当考えて書かれた本だという印象を受けました。


自分は普段は、2chも発言小町もヤフトピもほとんど見ず、はてな匿名ダイアリーも話題になったもの以外は見ることはありません。

そんな自分がこの本を買った理由は2つあり、一つ目はひとえにhagex愛によるもの。

もう一つは釣り解説を通じた「話題になる文章の書き方」を学びたいという気持ちによるものです。

しかし、この本はそのような期待以上の出来で、次から次へと興味をそそるトピックが出てきて、普通に読み物として面白く、カフェで一気に最後まで読んでしまいました。

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スタバでソイラテとパンケーキを食べながら、「ネット釣り師が〜」という本を開くのは少し勇気がいるけれど(笑)


そして、「はじめに」に書いてあるように、「ネットリテラシーを強くするための訓練」という効果もあり、これは恐ろしいウォッチャーから自分を守るための方法論としても学びがあります。


・・・ちょっと書きづらくなってきたので、ここから先は「です/ます調」ではなく、「だ/である調」で書きます。

hagex本にも書いてあるけれど、文章を書くときは「です/ます調」か「だ/である」調のどちらかを選ぶ必要があり、両方を混在させる人間は文章の素人の可能性が高い。

文章の書き方講座としての側面

第3章は「ミクロの視点」から釣り師を見抜く重要性について語られており、これは釣り師の判定以前に、文章の書き方本としても良い勉強になる。
上に書いた「です・ます調」、「だ・である調」についても、

読み手にフレンドリーで柔らかい文体を目指すのであれば「です・ます調」。論文やレポートなど堅いイメージを与えたいならば「だ・である調」を選ぶ。

とか、

文章のプロは意識的に同じ単語を使わないように意識する

のように、しれっと文章を書くときに気をつけるべき点が述べられている。
釣り師を見抜く手口の解説がそのまま、炎上しやすい文章や、文章を書く上で気をつける点の解説にもなっている。

一度で二度おいしい構成である。

また、ウォッチャーがどこを見て個人情報を特定しようとしてくるのかを知るきっかけにもなる。
炎上ブログを書いたりして敵が多い人は特に、Exifデータ(画像の詳細情報)に注意する必要がありそうだ。

ウォッチャーへの恐怖、そして畏敬の念

この本では、釣り師の癖を見抜くためのツールや方法論について詳しく解説されている。
ほんの一例だが、常用漢字チェッカーというツールを使って漢字の使い方の癖を調べたり、秀丸エディタで表記の揺れが出やすい言葉に強調表示をかけて調べたりしているようだ。

こういう細かい接続詞に着目したり、筆者の主張を読み取る作業というのは、大学受験のときには皆、一度は経験している。
ただし、センター試験の現代文の勉強については、点数が上がって偏差値も上がる、という明確な見返りがあるが、
ウォッチャーがデマや釣りを見抜いたところで金をもらえるわけでもないし、それ自体が直接のPVになるわけでもない。

僕は正直、この本に書かれている釣り判定への異常なまでの執着心や熱意に狂気のようなものを感じた。
とても真っ当な精神力ではやってられないだろう。

hagexさんは、自分自身を「ネットウォッチ(釣り判定)では日本で5本の指に入る」と自負しているが、彼は5本の指に入るまでに、2004年から今までずっと、この狂気じみた作業を続けてきているのだ。

それも大変な激務の最中に、である。

繰り返しになるが、釣り判定で日本で5本の指に入ったところで、その労力に見合った報酬があるわけでもない。

そこにあるのは、釣り師と判定師のプライドを賭けた闘いなのである。

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そして、hagexさんの10年に渡るその孤独な闘いの裏にあるのはきっと、インターネットへの愛なんだよね。
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2chにも発言小町にも元々興味がなかった俺だけど、hagex本を読んで、ネット上のコンテンツを「双方向」で楽しみたい、と思えるようになった。

それはもしかしたら、大いなる時間の無駄かもしれないし、人生にちょっとした楽しみを加えてくれる素晴らしいものであるかもしれない。

少なくとも、このhagex本は「インターネットは面白い」と思わせてくれる魅力と愛が滲み出ていて、読んだ後は、今まで見てきたインターネットを再発見するような、そんな気分にさせてくれる素敵な本だった。

2ch、発言小町、はてな、ヤフトピ ネット釣り師が人々をとりこにする手口はこんなに凄い (アスキー新書)

2ch、発言小町、はてな、ヤフトピ ネット釣り師が人々をとりこにする手口はこんなに凄い (アスキー新書)