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感謝のプログラミング 10000時間

たどり着いた結果(さき)は、感謝でした。

とりあえず「こころ」という名作のあらすじを、漫画で押さえておこう

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もうずいぶん前の話になるんだけど、大学受験のときに「出口汪の現代文」みたいな本があった。
で、その本の中で出口先生がいつも、

「『こころ』は人生のいつ何時読み返しても新たな発見がある名著だ」

と述べていた。
それ以来ずっと気になっていて、いつも文庫本を買って読もうとはしてみるものの、いまいちハマれずに挫折を繰り返してきた。
名著だからといって、俺にとって面白いとは限らないのである。しかし、そのエッセンスとか内容だけは押さえたいと、ずっと思っていた。

教養という意味でも、人生を豊かにする意味でも。

で、そんな俺のニーズにピッタリあっているのが、「まんがで読破 こころ」という本だ。

けっこう絵もうまくて、しかも内容も頭に入ってくる。
何より、20分もかからずに読み切ることができて、しかもエッセンスが入ってくるから、こんなにお得な本はない。

文体が好きな作家の本であれば、文章を読むことで、その文体を学ぶことができる。
たとえば、村上春樹なんかは、内容よりも文章の響きを楽しむものだと思う。

一方で、「こころ」みたいな名著でしかも古い本は、別に文体を学んだところで別に役に立つわけではない。文体古いし。学ぶべきは、エッセンスと教訓だ。

そのために、「漫画」という形を使って内容を理解することは、侮れない有効な作戦となるはずだ。

前置きが長くなったが、「こころ」のあらすじをこの記事を読んでくれる人と共有しておきたい。



「君は恋をしたことがありますか?」

「わかっていますか?恋は罪悪ですよ」

「こころ」という物語のエッセンスは、すべてこのセリフに詰まっているように思う。

恋は罪悪。

これはどういう意味なのか?

「先生」は豊富な知識を持ちながらも仕事につかず、妻と隠居生活を送る人間で、「私」はそんな先生に心惹かれていた。
先生は決して消せない過去を抱えて生きていた。

そして、その過去を誰にも話せずにいた。

「私」は人間を嫌い、世間を信用しない先生に、過去を尋ねた。

「恋は罪悪とか、人間全体を信用しないとか、そんな難しいことを言われても僕にはわからない。

僕は先生の『人生そのもの』を知りたいのです」


先生は言った。

私は人間が信用できないと言いましたね?

だが私は・・・死ぬ前にたった一人でいいから、人を信用して死にたいと思っている。

あなたはその一人になれますか?

なってくれますか?

その過去こそが、「恋は罪悪」という意味そのものだったのである。

先生の学生時代の話だ。
「K」という男がいた。
自分の「道」を極めるため、実家からの仕送りを断ち、勉学以外の時間のすべてを惜しんだ。
真理を探求するために、あらゆる支援を経った。
先生から見た彼は、偉大な男だった。

そんなKの生活は困窮を極めていた。
そんな彼を見てきて1年、先生はもうKは限界だと思い、Kに自分が住み込んでいる下宿を紹介した。
その下宿には、早くに夫を亡くした人の良い奥さんと、器量の良い娘の静がいた。


奥さんにKの話をすると、快くKを受け入れてくれた。
先生とKと、奥さんと娘の共同生活が始まった。

最初はうまくいくかのように見えた共同生活だった。
しかし、Kと仲を深めていく静の様子を見て、先生はどうしようもない嫉妬の感情にさいなまれていく。

・・・僕の方が先に好きだったのに。
なんであとから来たお前が。

そんな嫉妬の感情を心に抱えていながら、時が過ぎた。
そして、Kはとうとう先生に自分の思いを告げた。


「俺は、お嬢さんのことが好きなんだ」


Kの思いを聞いた先生は、先に思いを知らされたことを悔いた。
なぜ自分も

「僕もお嬢さんが好きなんだ」

と言えなかったのか。

その焦りは、先生を暴走させる。

悩むKは、先生に相談する。

「今の俺を見て、どう思う?」

Kは悩んでいたのだ。
すべてを捨てて、道を求めていたはずなのに、お嬢さんに恋焦がれている自分について。
喜びも安らぎも、誰かを好きになることも、「道」のために捨ててきたKだ。

悩んでいた。

そんな悩みを打ち明けたKに対し、先生はこう言った。

「精神的向上心の無い者は、馬鹿だ」

これはKがいつも言っていたことだった。
その言葉を聞いたKは愕然とした。

先生は、Kに馬鹿だと言うことで、お嬢さんを諦めさせようとしたのだ。
汚い考えを持っていた。

しかし、先生の過去の業は、これでは終わらない。

先生は、その後すぐに奥さん(お嬢さんの母親)に話に行き、お嬢さんとの結婚を申し込む。
Kがお嬢さんに告白する前に、なんとしても自分のものにしたかったのだ。
奥さんはそれを許してくれた。先生はお嬢さんと結婚することに決まったのだった。

そのことは、先生の口からKには知らされていなかった。

数日後、奥さんが何気なしに、Kに結婚の話を伝えた。
その話を聞いたKは、そのときは動揺も見せずに、

「おめでとうございます」

と。

「何かお祝いをあげたいが、私には金がないからあげることができません」

先生はそのとき、Kという男の立派さを身に染みて感じたのだった。
僕は策略で勝っても、人間として負けたのだと。

2日経った夜。


Kは自殺した。


傍らにおいてある遺書を見て、先生は自分が行ったことがバレるのではないかと心配した。しかし、Kの遺書には先生が行った卑劣な行為のことは一言も書いていなかった。

自分は薄志弱行で到底先行きの望みがないから自殺する。
もっと早く死ぬべきだったのに、何故今まで生きていたのだろう。

人に失望していた私が、自分に絶望した瞬間だった。

妻となった静には未だに過去のことは告白できていない。

妻は何も知りません。

私も何も言えません。

妻にはきれいな記憶のままでいてほしいのです。

私は妻の知らない間にこの世から消えます。

記憶してください。私はこんな風に生きてきました。

この打ち明けられた私のヒミツは、
すべてあなたの心の中にしまっていてください

こころ (まんがで読破)

こころ (まんがで読破)