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感謝のプログラミング 10000時間

たどり着いた結果(さき)は、感謝でした。

クレーマーに対するプロの姿勢。「本当に面白いコンテンツは有料で」は正しいか。

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1月26日の岡田斗司夫さんのメルマガで、「明日、ママがいない」がクレームを考慮して打ち切りになった件について、語られている。
結論から言うと、「クレーマーに文句を言うのはお門違い。プロなら制限を意識して創れ」というもの。

エッセンスを抽出して要約すると、以下のような内容になる。

「クレームが入るから良いものが作れない」という人がいる。
うるさいクレーマーがいるせいで、制限が増える。その結果、面白いものは作れないと。

そういう姿勢は、絶対に間違っているし、思考停止である。

なぜなら、製作者側はプロだからだ。

プロなら、制限の中で最大限工夫するのは当たり前だ。
たとえば、「あまちゃん」などは、NHKの朝の連ドラという厳しい制限の中で、あれだけ面白いモノを創りあげた。
制限を意識した上で、面白いものを創るのがプロの仕事なのだ。

「テレビは無料だから文句を言うな」という人もいるが、それも間違いである。
「無料で」、「誰でも」見れるからこそ、製作者側は「誰でも観れる仕組み」の方を優先するべきだ。
テレビは「無料でいろんな映像が観れる」という素晴らしい仕組みなのだ。
だから、テレビにそんなに「面白いコンテンツ」を期待するな。

もし「製作者の意図を理解してほしい」というならば、誰でも観れる環境でやらなければいいだけである。
本当に面白いものならば、みんな金を出して見に来るはずだ。
たとえば、舞台だとか映画とかね。

テレビはあくまで、「みんなが観れるもの」であるべきだ。

★★★
自分は「明日ママがいない」の打ち切りの話とか、クレーマーの話とか、全然知らなかった。
でも最近はクレーマーによって、CMなどが打ち切りになる傾向が強くなっているのはなんとなくわかる。
ネットで自分に流れてくる情報はかなりのバイアスがかかっているんだけど、それでも「打ち切り」という文字を見る頻度は多くなった。

仮にクレーマーが増えているとすると、その背景は「個人が文句を届けやすい環境」が整ってきているからだと考える。
昔はクレームを入れるときは、思い切って電話で突撃するような、ちょっとした勇気も必要だった。

自分の肉声で、時には電話番号を公開して文句を言うわけだ。
そこには本気の怒りと、本気で伝えたいクレームがあったと思う。

しかし、今はツイッターで匿名でつぶやくだけでクレームになりうる。
そのクレームに乗っかって、火を起こすまとめブログがあり、そこいるのは愉快犯である。

クレームがフリーランチ(タダ飯)になっているのだ。
何かに怒りをぶつけて、他人を責め立てたい人にとって、絶好の環境が整っているとも言える。

岡田斗司夫さんのメルマガを読んで、悶々と違和感を感じていた。

クレームのコストが限りなくゼロなのに対して、製作者側は何億とお金をかけた作品を潰されることになる。
それを「プロだから、制限を考えるのは当たり前。制限の中でも面白いものが作れるからだ」というのは、やや乱暴なように思える。

なぜかというと、「制限が無い方が面白いものが作れる可能性」を考慮していないからだ。
それに対して、「テレビはみんなが観れる素晴らしい仕組みだから」というのは根拠になっていない。

テレビが「無料で観れる素晴らしい仕組み」なのはスポンサーがいるからで、そこにお金が生まれるから、広告としての価値があるから、視聴者は無料で番組を楽しむことができる。
そして、「みんなが無料で観れる」ということは、どんな人が何を言い出すかわからない、ということだ。

プロがいくら制限を意識したところで、クレームのコストが限りなく小さくなった今、誰がどんな文句を言い出すかわからない。
万人が受け入れられた「あまちゃん」のような作品でも、クレーマーが現れない保証はないのだ。
もしかしたら、声のでかいクレーマーが現れて、それを意識した製作者が萎縮してしまうかもしれない。

そうすると、「もっと面白いものを観れた可能性」が潰されてしまうじゃないか・・・・

・・・と、ここまでは考えたんだけど、岡田さんが最後に語った「それなら、本当に面白いものは有料でやればいいじゃないか」というロジックに対して、明確な反論を組み立てることが難しかった。
テレビにそんなに面白いものを期待せず、本当に面白いものなら金を払わせればいい、と。

明確に反論できない、というのも、最近はブログでブレイクした人が有料メルマガを発行して、実際にそれで成功している人がいるから。
藤沢数希さんの週刊金融日記なども、メルマガではブログとは明らかに質の異なるコンテンツを発行し、実際にそれが本当に面白いから読者がついている。

ただ、一つの反論としては、無料の媒体は「面白いものが育つ土壌」として、機能しているはずだ。

(無料で観れる)ドラマでヒットして、映画になる。
無料のブログでヒットして、有料メルマガにつなげる。

モンスタークレーマーの存在は、その「面白いコンテンツが育つ土壌」を土足で荒らしていくようなものだ。
育つはずの芽が摘み取られてしまうかもしれないし、中には土壌を荒らすことに生きがいを感じる人がいるかもしれない。

だから、やっぱり俺は、コンテンツ制作者には「プロだからこそ、自分の目を信じて、クレーマーなんて気にしないでやってほしい」と言いたい。

これは、"無料で読める"ブログも同じだよねって思うんだ。
別に俺は、"プロ"ブロガーではないけれど。