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最近発行額が増えている「株転換型」社債とは何か?企業がCBで資金調達する理由と意味、効果について。

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今日の日経3面に「株転換型」社債が脚光を浴びているという記事があったので、CBについてまとめてみる。

転換社債とは何か?

転換社債は英語にするとCB,Convertible Bondといい、株式に転換できる権利(=転換権)が付いた社債のことをいう。
はじめは社債として発行されるけれど、その保有者は、一定期間内にあらかじめ定められた条件で発行会社の株式に転換できる権利を持っている。
この権利を行使して株式に転換すると、社債が株式に置き換わり、社債としての性格は消滅する。

転換の条件は転換価額(conversion price)によって示される。
転換価額というのは、「発行時に決められる、転換社債を株式に交換するときの価格」のことで、発行時の株価をベースに決めるのが一般的。

転換社債の額面金額を転換価額で割って得られる数量が、転換できる株数となる。
たとえば、転換価額300円のA社転換社債を額面300万円保有している場合に、当該転換社債を株式に転換するとき、交換できるA社株式数は300万円÷300円=1000株ということになる。

転換を請求できる一定期間を転換請求期間といい、一般的には、発行後一定期間据え置いたあとに転換可能となる。

転換社債は、このような転換の仕組みを通して、社債の性格と株式の性格を合わせ持つことになる。

転換社債の「社債としての価値」は、将来のクーポンと償還金の現在価値で示される。
「株式としての価値」は、パリティ(parity)価格で示される。
パリティとは、転換社債の発行会社の株価を転換価格で割って100倍したものである。

実際の転換社債の価格は、社債としての価値に下支えされ、パリティ価格を上回るのが普通。
転換社債の時価がこのパリティ価格からどの程度離れているかを示す指標を乖離率という。上で「パリティ価格を上回るのが普通」と書いたように、乖離率は普通プラスになる。

転換社債を買いたいと思う人

転換社債は株価が下落しても債券価値が下支えするため下方硬直性がある。
したがって、

・株価は下落してきているものの、底値に近いと考えている投資家
・目先株価は下げるかもしれないが、長期的には上昇を見込んでいる投資家
・株式投資のようにストレートに大きか株価リスクは取りたくないが、債券投資よりは高いリターンを期待したいという投資家

にとって都合のよい投資対象となる。

株式転換型社債が脚光を浴びる理由

12月7日の日経3面の記事。
企業が株式転換型の社債を使って資金を調達する動きが広がってきているという。
今年は12月6日までの時点で、発行額は前年比でほぼ倍増。
2006年ぶりの水準に達した。
この「2006年ぶりの水準」というのは、トムソン・ロイターのデータをもとに集計すると、約6650億円に達するという。
昨年は1年間で2921億円なので、約2.2倍に達した。

CBで資金を調達する理由は、第一に、公募増資だとすぐに株式数が増えるのに対し、CBは株式への転換価格の設定など、設計の柔軟性や自由度が高く、企業側がある程度株式希薄化のスピードをコントロールできることである。
株式の希薄化とは、株式の数が増えることで、1株あたりの価値が下がることだ。

たとえば高島屋は、株式に転換できる価格を今の4~5割高い水準にした。
そこまで株価が上昇しなければ株数は増えない。
投資家から見ると、購入当初は社債のため、株式よりもリスクが少ない。

企業側から見ると、この転換社債の「社債」は金利を通常の社債発行より低くすることができる。
これは日経新聞を見て驚いたのだが、最近発行のCBはほとんどが利息ゼロだそうだ。

とりあえずリスクゼロで、株式に転換できる権利だけを保有して、株価が上がったら株に換える。
株に転換しなければ、そのまま利息ゼロの社債として償還する。

株価が上がらなければ、そのまま機械損失にはなるが、企業が倒産しない限りは、実質金は減らない。
コール・オプションとなんだか似ているけれど、お金がかからないオプションみたいなものなのかな。

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今回、CBについてまとめるときに、読み返した本。
会社の先輩に借りっぱなしでけっこう古い本なんだけど、硬派で詳しい情報がまとめられている。
図も豊富でわかりやすいので、意外とオススメな本だ。