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感謝のプログラミング 10000時間

たどり着いた結果(さき)は、感謝でした。

映画「スティーブ・ジョブズ」の感想。

感想文
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スティーブ・ジョブズの人生が映画化された。
世界を変えた偉大な変人・スティーブ・ジョブズの人生を描く映画にも関わらず、内容は意外なほど泥臭い。

2001年にiPodを発表してから、2012年に時価総額世界一になるまでの、Appleの最も輝かしい栄光の時代は基本的には描かれていない。
この映画で描かれているものは、Apple創成期のジョブズの雌伏の時代と成長期、そして自らが作ったAppleを追い出されるという挫折からAppleにカムバックするまでの人生が描かれている。

アタリ社で働いている時、ウォズに作らせたコンピュータゲームをさも自分の成果のように上司に突き出し、大金を手に入れた。
ウォズには、ジョブズがもらえた報酬を少なめに教えた。
会社の黎明期の人材に1株も渡さず、会社のお荷物だと言い切った。
自分の理想と合わないという理由で、最高のプログラマーをもその場でクビにした。
偉人と呼ぶにはあまりにワガママで、利己的な男だった。

自分の理想のために会社を利用し尽くしたジョブズは、

「お前は会社のためじゃない。お前のためだけに製品を作っているんだ」

と言われた。
何を言われてもジョブズは変わらなかった。

「最低の男が、最高の未来を作った」

結果だけで語るとそうだろう。
スティーブ・ジョブズは最低の男だ。

きっと一緒に働くものからすると、たまったもんじゃない。
でもそのワガママは、純粋な「変革の意志」から生まれたものだった。
自分は、自分たちは、世界を変えられる。

ジョブズは純粋に、盲目的に世界を変えられると信じていたのだ。
信じれば実現する。

それを体現してみせた。
今から10年前の時点で、どれだけの人間が、パソコンをポケットに入れて持ち歩く時代が来ると想像しただろうか。
今から15年前に、どれだけの人間が、音楽をファッションとして持ち歩くようになると想像しただろうか。

ジョブズは、人がまだ想像し得ない未来を思い描き、創造したのだ。
それはあまりにもワガママで、あまりにも利己的だったけれど、それくらい自分勝手じゃなければジョブズに理想は実現しなかったに違いない。
とにかく、自分の理想に対して妥協しない男だった。

この映画では、利己的で最低なジョブズの一面と、仲間が離れていくことに心を痛めたり、自分の子供が生まれることに涙する人間らしい一面が、絶妙なタッチで描かれている。
数々の伝説的なエピソードと共に、ジョブズの人間としての苦悩が描かれている。
最初は営業がうまくいかなかったり、口八丁でハッタリかましたり。

そこに描かれるジョブズは決して神がかった偉大な人ではなかったけれど、
神のような偉業を成し遂げた人間の苦悩の日々を克明に描き出した傑作だと僕は思う。

スティーブ・ジョブズ I

スティーブ・ジョブズ I